アベリアの育て方

アベリア

アベリアは樹高が低く、狭い場所の庭木や生垣として使われています。強剪定にも強く、芽吹く力が強く、そうそう枯れません。長く花を咲かせてくれる樹木で、夏から秋まで花を楽しみたい方におすすめです。アベリアの特徴と育て方を紹介します。

アベリアの特徴

【別名】ツクバネウツギ(衝羽空木)、コツクバネ
【科/属】スイカズラ科ツクバネウツギ属
【樹高】1~2m
【種類】常緑低木、半常緑低木
【樹形】株立ち
【花期】6月~11月上旬
【花色】白、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭木、生垣、生花材料
耐陰性】ややある
耐寒性】ある、-10度まで
【名前の由来】果実の先端に萼片(がくへん)が残り、その形が羽根つきに似ていることから、突く羽根ウツギ。

アベリアというと、通常ハナゾノツクバネウツギとも呼ばれる、庭木や生垣にも使われる品種のことを示すことが多いです。日本へは大正中ごろに入ってきました。

当時はあまり普及しませんでしたが、公害に強く半日陰でも育ち、洋風庭園にも合うことから使われるようになりました。アベリアは東北地方以南の山地に分布する落葉低木です。寒冷地では半落葉します。

アベリア
アベリアの花は、ラッパ型の白い花が特徴です。開花時期は6月~11月初旬までと、長く花を楽しませてくれます。ときには淡黄色や淡いピンクなどの花色もあります。蕾のときはピンク色をしていますが、開くと白色になります。

花は長さ2~3cmの筒状で、先が開いています。やや下向きに花が咲くのが特徴です。花は次々と咲き続けます。

アベリア
アベリアの葉は、先がとがった卵形です。長さ2~6cm、幅1~4cmの大きさになります。葉の縁には不揃いのギザギザがあり、裏面には白色の短毛が密生します。

紅葉

アベリア
常緑樹のアベリアは、秋になると紅葉します。葉が赤く染まっていくので、生垣として楽しむのもよいでしょう。

アベリアの実は、線形で長さ5mm~1.5cmの大きさです。実は9~10月ごろに熟します。

樹高

アベリアの樹高は、1~2m程度です。庭に植えても背丈が短いので、狭い場所にも植えやすいでしょう。刈り込んで樹形を抑えることもできます。

種類

アベリア
樹高50cmくらいでこんもりとした樹形になる「フランシス・メイソン」は、葉に濃黄色の斑入りになります。日当たりが悪いと斑が出てこないので、植え付ける場所に注意が必要です。花つきがよく淡いピンク色の花が6月~11月まで次々と咲きます。斑入りのアベリアはほかにも「ホープレイズ」という品種もおすすめです。

濃いピンク色の花が特徴なのは、「エドワード・ゴーチャー」です。フランシス・メイソンよりも小型の品種で、寒冷地では落葉します。初心者にも育てやすい品種です。半落葉性のものは「シナツクバネウツギ」や「ユニフローラ」もあります。

ツクバネウツギの仲間である「タイワンツクバネウツギ」は、暖地でも育つ品種で、芳香があるのが特徴です。花は淡いピンク色をしています。

成長速度

アベリアの成長速度は速いです。樹高が最大でも2mまでなので、大きく育たず狭い庭でも育てやすいでしょう。刈り込んでも成長が速いので、剪定を多少失敗しても問題ないでしょう。

アベリアの基礎知識

アベリア

アベリアの花言葉は?

アベリアの花言葉は、「強運」「謙虚」「謙譲」などです。

生垣にもおすすめのアベリア

アベリアは萌芽力が強い樹木のため、生垣に向いています。地際から多くの枝を出して大株になるので、1株は30cmくらいの間隔を開けて植え付けてください。低く刈り込んでもよく、花も長く楽しめることから生垣に向いています。

アベリアは日陰でも大丈夫?

アベリア
アベリアは半日陰でも育ちますが、花つきをよくしたい場合は日向に植えてください。

斑入りのアベリアについて

アベリア
明るい黄色の斑入りアベリアなら、花が咲かない時期でも緑が楽しめるでしょう。「ホープレイズ」や「フランシス・メイソン」は斑入りになります。

アベリアが枯れるのはなぜ?

アベリアは寒さにも強く、強い刈り込みもできて、肥料もほとんどいりません。そのため初心者でも枯れる危険性は少ないでしょう。アベリアが枯れるような環境では、ほかの庭木を育てることは難しいかもしれません。それくらい丈夫な植物なので、枯れることは少ないです。

アベリアの育て方

アベリア
アベリアは、寒さにも強く-10度まで耐えることができます。そのため北海道でも育てることができるでしょう。寒冷地では葉がある程度落葉しますが、春になるとまた新芽が出てきます。

アベリアは土質を選ばないが、水はけと日当たりのよい場所に植えましょう。半日陰でも育ちますが、半日陰では徒長して花つきが悪くなります。

剪定

アベリアは樹勢が強く徒長枝が出やすいので、ときどき剪定が必要です。強い剪定にも耐えられるので、生垣にして刈り込んでも問題ありません。

剪定時期は秋から春までの、新芽が出るまでが適期です。生育中はつねに花芽をつくっているので、盛夏以外ならいつでも剪定できます。地際からひこばえが出たら切り取りましょう。強く刈り込んで、玉仕立てや生垣に向きます。

害虫や病気

アベリアに病害虫はほとんど発生しません。

肥料

アベリアは、普通の土質であればとくに肥料を与えなくても育ちます。肥料が必要な場合では、毎年2月に与えるようにしましょう。

増やし方

アベリアは、挿し木または株分けで増やすことができます。挿し木は6月上旬~6月中旬までにおこなってください。株分けは春の新芽の時期が適期です。

移植や植え替え

アベリアの根は荒いが、地上部を切り取れば、大株になっても移植することができます。

アベリアの入手方法

アベリア

値段

アベリアのポット苗は、数百円から売られています。価格がお手頃なので、数株購入して生垣にもしやすいでしょう。

販売先

アベリアは幅広い地域で植えられるので、近くのホームセンターや園芸店で入手できます。特定の品種を手に入れたいときは、ネットショップで探すと見つかりやすいでしょう。

鉢植え

アベリアを地植えすることができない場合は、鉢植えで楽しみましょう。土質は拘らなくてもよく、一般的な用土でも育ちます。植え替えにも強い樹木なので、根が張ってきたら一回り大きな鉢に植え替えてください。株を大きくしたくない場合は、5~7本の枝に絞ってスタンダード仕立てがおすすめです。

苗木

アベリアの苗木を入手したら、3月~4月に植え付けましょう。または9月下旬~11月上旬も植え付けの適期です。

アベリアのQ&A

アベリアの挿し木について教えてください、今・・・

今の季節では新芽(太くて柔らかい)ものと古い枝(細くて硬い)がありますがどちらが適していますか?
アベリアの挿し木について教えてください、今・・・の詳細

アベリアについていくつか疑問点があります。

1. 樹高は一年でどれ位伸びるのでしょうか?
2. 花は何色が多いでしょうか?
3. ネット上でみると匂いは強い方だと書かれてますが、シルバープリペッド(ピンポイントですみまさん)の花の匂いとどっちが強いでしょうか?また、アベリア花の匂いに似てる植物(あるいは他のもの)があったら教えていただきたいです。
4. 開花期には蜂などの虫が寄ってくるのでしょうか?
5. アベリアのが栽培経験がある方がいましたら、経験談を聞かせてください〜
アベリアについていくつか疑問点があります。の詳細

先住人から引き継いだアベリア生垣が 途中枝ば・・・

先住人から引き継いだアベリア生垣が 途中枝ばかりで先の方だけしか葉も花も付きにくくこの先の手入れを悩んでいます。
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アベリアコンフェッティの斑がない。 園芸初心・・・

園芸初心者です。先日ネットにてアベリアコンフェッティを購入しましたが、届いた品を見てみると写真のように斑入りの葉がほとんどなく、0.5割ほど斑入りの葉が交っているような状態です。ネットで見ていた画像とあまりにも違うので戸惑っています。これはこれから斑入りの葉が増えてくるものなのでしょうか?
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冬の間にアベリアに葉っぱがなくなってしまい・・・

このまま暖かくなると勝手に茂ってくれるものでしょうか?また、土がアベリアの下だけ真っ黒になっているのですが、何か関係あるのでしょうか?
冬の間にアベリアに葉っぱがなくなってしまい・・・の詳細

まとめ

アベリアは園芸初心者でも育てやすい庭木です。強く刈り込んでも問題なく、肥料を与えなくても育ちます。間違った剪定をしても芽吹く力が強いので、剪定するのが好きな方に向いています。耐寒性も強いので幅広い地域におすすめです。