ボケ(木瓜)の育て方

ボケ(木瓜)

ボケ(木瓜)の木は、赤、白、ピンクの花が咲きます。花は春に咲くもの、秋に咲くものと品種があるのでチェックしておきましょう。成長が速く苗からでも庭木にできて、性質が強いので初心者にもおすすめです。実の楽しみ方も紹介します。

ボケ(木瓜)の特徴

【別名】カラボケ、クサボケ、シドミ、コボケ
【科/属】バラ科ボケ属
【樹高】1~2m、クサボケ(30~60cm)
【種類】落葉低木
【花期】3月~4月中旬
【花色】白、赤、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭植え、生垣、生花材料、果実酒
【耐陰性】なし
耐寒性】強い
【名前の由来】中国の木瓜が和名になったもの

ボケは春が訪れる3~4月に花を咲かせることから、「迎春花」とも呼ばれています。派手さがない花木ですが、日本は昔からボケを庭木として親しまれてきました。

木瓜は中国原産で、平安時代に日本に伝わってきました。伝わった時期は定かではないが、960年頃だといわれています。その後江戸時代に交配され、多くの品種が誕生しました。

ボケ(木瓜)
ボケの花は赤が一般的で、白やピンクもあります。1か所に複数の花がまとまって咲くのが特徴です。花は葉が出る前に咲きます。

品種によっては、1つの株に赤と白の花が付けるものもあります。6cmもの大きな花を付ける品種も入手が可能です。

開花時期は3月上旬~4月中旬くらいです。また、10月下旬~12月中旬まで開花する品種もあります。

ボケ(木瓜)
ボケの葉は卵形をしています。花と同じくらいの大きさの葉が付くのが特徴です。

木瓜
ボケの実は8月~9月ごろになります。8~10cmの卵形で、上の部分がくびれています。洋ナシに似た形の実を付けます。ボケの実は果実酒として活用が可能です。

樹高

ボケの樹高は1~2m程度の低木です。庭で大きくならないため、狭い庭でも扱いやすいでしょう。

種類

ボケ(木瓜)
ボケの木は3種類に分けることができます。クサボケ、ボケ、マボケの3種類です。

クサボケは別名シドミとも呼ばれています。北海道を除く日本各地の山で見られる日本に自生する品種で、赤い花が特徴です。高さは30~50cm程度で、秋から花が咲きます。

ボケは中国原産のもので、薬用にも使われていたものです。次第に観賞用としても楽しまれるようになりました。花は赤が一般的ですが、白やピンクもあります。枝にとげがあり、1か所に数個の花がまとまって咲きます。

マボケは中国中部原産の品種です。高さは4mくらいにまで大きくなります。花は赤で、とげがあり、ほかの2種類と比べて寒さに弱いタイプです。

秋咲性

秋に花が咲くボケの品種として、大輪で赤い花が咲く「ベニツカサ」があります。ほかにも咲き始めは白でピンクに変化する「カンサラサ」は、とげが少なく庭木に適した品種です。

春咲性

赤い大輪の花が咲く「ヒノミハタ」は、性質が強く生垣にも向いています。江戸時代から伝わる「トウヨウニシキ」は、庭植えから生花材料にも用いられる品種です。ほかにも「タカネノユキ」なども春に花が咲きます。

成長速度

ボケの木は成長が速くなっています。1年で1m以上伸びるものもあります。しかし、成長しても最大でも2mまでなので、早く成長した木を楽しみたい方におすすめです。

ボケ(木瓜)の基礎知識

ボケ(木瓜)

ボケは生け花にもおすすめ

ボケの木は生け花の材料としてもよく用いられています。落ち着いた雰囲気の花で、枝ぶりも楽しむことができるので、他の花と組み合わせてもうるさい印象になりません。

ボケの果実酒の作り方

ボケの実はそのままだと酸味が強く、好んで食べるものではありません。酸味を活かした果実酒作りなら、ボケの実も活用しやすいでしょう。ボケの実を綺麗に洗って、氷砂糖とホワイトリカーと一緒に漬け込んでください。

ボケ(木瓜)の育て方

ボケ(木瓜)
ボケの木は日当たりのよい場所を好みます。土質は選ばないが、砂地のような乾いた場所に植えるのは避けましょう。寒さは暑さにも強く、日本各地で庭植えができます。暖かい地域では西日が当たらない場所に植えましょう。

剪定

ボケの木は太い枝を剪定しません。太い枝に花芽を付けるためです。新しい枝に花芽が付くことはほとんどないので、古い枝を切らないようにしましょう。

細い枝であれば剪定しても問題ありません。剪定時期は10月ごろが適期で、花芽の上3~4芽を選定します。葉芽は残すようにしましょう。

害虫や病気

ボケ(木瓜)
ボケの木はアブラムシが付きやすいです。芽が柔らかい頃にアブラムシが付きやすいので、見つけたら薬剤で対処しましょう。

ほかにもグンバイムシが6月~9月ごろに、5月~6月ごろに赤星病になることがあります。根頭がんしゅ病になったら、コブを除去しましょう。

肥料

ボケの木を植え付ける際に、元肥として有機配合肥料や、乾燥鶏ふんなどを与えます。毎年の肥料は、2月と花が終わった直後にやります。その場合は有機配合肥料や化学肥料を与えましょう。

増やし方

ボケの木は実になった種から増やすことができます。種を実から取り出しよく洗ってから、そのまま土に埋めましょう。春に発芽しても秋には10cmくらいまで大きくなるので、成長を楽しむことができます。

早くに庭木として楽しみたい場合は、挿し木で増やしましょう。その年に伸びた枝を10cm程度の長さで斜めにカットして、水揚げしてから発根剤を塗ってから土にさします。

移植や植え替え

ボケ(木瓜)
ボケの木を植えるのに適している時期は、10月~11月です。植え替えも同じ時期におこないましょう。鉢植えの場合は数年ごとに大きな鉢に植え替えてください。

花がら摘み

花が咲き終わったら花がら摘みをすると、木を傷めません。実を楽しむ場合は適度に花を残しておくようにしましょう。

ボケ(木瓜)の入手方法

ボケ(木瓜)

値段

ボケの木はポット苗なら、数百円程度から入手が可能です。

販売先

ボケは日本でよく出回っている品種で、ホームセンターや園芸店で比較的容易に手に入るでしょう。

苗木

ボケの木は苗木から植えても、成長が速くすぐに庭木として楽しめます。

盆栽

ボケの木は丈夫で育てやすいことから、盆栽初心者にもおすすめです。乾燥には弱いので水切れに注意しましょう。針金かけをしなくても剪定で樹形を整えることもできます。

鉢植え

ボケの木は鉢植えや盆栽にすると、根頭がんしゅ病ができやすくなります。古い土をよく落としてから、新しい土に植え替えてください。

ボケ(木瓜)のQ&A

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まとめ

ボケ(木瓜)の木は、コンパクトサイズで育てることができるので、狭い庭でも楽しみやすいでしょう。和の雰囲気がある庭木ですが、白やピンクなど可愛らしい品種もあります。性質が丈夫で育てやすい木なので、初心者にもおすすめです。