フヨウ（芙蓉）の育て方

フヨウはハイビスカスに似た大輪の花が魅力です。1日花ですが、夏から秋まで次々と花を付けてくれるので、長く花を楽しむことができるでしょう。フヨウは夏に花が咲く花木としても代表的なものです。フヨウの育て方や特徴を紹介します。

フヨウの特徴

フヨウは、日本の南部に分布する、落葉低木です。白やピンク、赤などの大輪の花が特徴で、夏から秋にかけて花が咲きます。地域によって木化する場所もあれば、冬になると地上部が枯れる地域もあります。

フヨウの原産地は、中国です。やや耐寒性があるので関東地方でも栽培できます。

花

フヨウの花は、白またはピンク色です。開花時期は7月～10月で、夏から秋にかけて花が咲く貴重な花木です。

花は木の上部になり、葉のわきにつけます。大きさは径10～14cmで、大輪です。八重咲の花を咲かせる品種もあります。

フヨウは1日花で、花が咲いたその日に落ちてしまいます。次々に花が咲くので、夏から秋まで長く花を楽しむことができるでしょう。

葉

フヨウの葉は、浅く避ける手のひら形です。五角形のような形をしていて、長さと幅どちらも10～20cmになります。

実

フヨウの実がなる時期は、花が咲いて2か月後くらいです。径2.5cm程度の丸形で、表面には多くの毛があります。実が熟すと裂けて、中から種がでてきます。

樹高

フヨウの樹高は、1～4m程度です。庭木としても背丈が低く、人の目線で花を楽しむことができるでしょう。樹高を短く切り詰めることもできます。

種類

フヨウの種類には、白い花が特徴の「シロバナフヨウ」や、咲き始めは白色をしていますが開花とともにピンク色に変わる八重咲の「スイフヨウ」、濃い紅色になる「ベニバナフヨウ」、「クサフヨウ」などがあります。

フヨウの基礎知識

フヨウの花言葉は？

フヨウの花言葉は、「繊細な美」「しとやかな恋人」です。

フヨウに似た花とは？

写真はハイビスカス
フヨウの花は、ハイビスカス、ムクゲと似ています。フヨウは「アオイ科フヨウ属」なのに対し、ハイビスカスは「アオイ科フヨウ属」に含まれる植物の総称です。ムクゲも同じ「アオイ科フヨウ属」のため、どれも似た花が咲きます。

写真はムクゲ
フヨウやハイビスカスは暖地性なのに対し、ムクゲは耐寒性が強いです。ムクゲの葉は小さく、フヨウの葉は大きくなります。ムクゲは木質化して寒くなっても地上部分が枯れることはありません。

住んでいる地域によって、フヨウ、ハイビスカス、ムクゲを使い分けてみましょう。どれも花色が豊富なので、好みの花を選ぶことができます。

フヨウの育て方

フヨウは暖地性の植物のため、冬や防寒対策や、風よけが必要です。植え付ける場所は、日当たりと水はけがよく、腐植質にとんだ肥沃な場所です。

剪定

フヨウは住んでいる地域によって、剪定方法が変わってきます。関東以北では、冬になると地上部が枯れてしまうので、12月ごろに地際で切りとります。残った株元に腐葉土などを乗せてマルチングをして、株元を寒さから守りましょう。

関西以南や九州、沖縄などの暖地で育てる場合は、冬になっても地上部分が枯れません。枝が残って毎年大きくなっていくので、大きくなりすぎて剪定が必要なら、2～3月に剪定してください。

花芽は新梢につくので、強めに剪定しても大丈夫です。放任すると枝数が増えて雑然としてくるので、早めに2～3本の枝を決めて、それ以上増やさないよう剪定します。

庭木の剪定のコツ

庭木を植えたら、剪定のコツを覚えておく必要があります。剪定は不要な枝を切りとり、花や実つきをよくして、日や風通しを改善させ成長に必要です。難しそうな庭木の剪定も、ひとつずつ学んでいけば習得ができるでしょう。 庭木の剪定に役立つ仕立て方の種類4選 庭木の剪定で仕立てる方法は、主に4種類あります。和風庭園では「散らし玉仕立て」や「玉仕立て」を使うこと

害虫や病気

フヨウは、ハマキムシとアブラムシが発生しやすいです。見つけ次第すぐに駆除しましょう。とくにハマキムシの被害が多いです。

肥料

フヨウの費用は、2月と6月に与えます。油粕に30％の骨粉を混ぜわせたものを与えましょう。

庭木の肥料の与え方

樹木を庭に植えると成長を抑えたい場合もありますが、多くの場合は花や実を付けたいと考えているはずです。植物には栄養が必要なので、適切な肥料の与え方を覚えてみましょう。逆に与えすぎもよくないので、適切な肥料の与え方を紹介します。 庭木の2つの肥料について 庭木に与える肥料は、大きく分けて2種類です。元肥（もとごえ）と追肥（ついひ）の2種類に分けられて

増やし方

フヨウは、挿し木で増やすことができます。挿し木の成功率が高いので、初心者でもチャレンジしやすいでしょう。

秋になったら翌年挿し木する枝を切りとり、ビニール袋に入れて土の下に埋めておきます。春になったら掘り起こし、土にさすと容易に根がでます。

挿し木、接ぎ木、種まきの方法

家庭で育てている庭木を増やす場合は、5つの方法で増やします。それぞれの樹木に合った増やし方を利用すれば、家庭でも簡単に増やすことが可能です。 挿し木、接ぎ木、取り木、根伏せはどれも、親の性質をそのまま受け継ぐ方法です。種まきは親の性質を受け継がないことも多いので、見た目が違う品種が誕生することがあります。 挿し木のやり方 挿し木とは、増やし

移植や植え替え

フヨウを植え替えする場合は、3月～5月が適期です。植木鉢で管理しているフヨウは、鉢が小さくなったら植え替えしましょう。植え替えは一回り大きな鉢に植え替えます。

フヨウの入手方法

値段

フヨウのポット苗は、数百円から売られています。

販売先

フヨウは暖地性のため、寒冷地を除く地域のホームセンターや園芸店で入手できます。八重咲になるものなど、特定の品種が手に入りにくい場合は、ネットショップの活用がおすすめです。

酔芙蓉 （ スイフヨウ ） 9cmポット苗

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楽天市場

苗木

フヨウの苗木を入手したら、2月～3月中旬までに植え付けます。

鉢植え

生育旺盛の樹木のため、鉢植えより庭植えが向いています。しかし、庭でフヨウを栽培できるスペースがないときは、鉢植えで管理するしかありません。

フヨウは日の当たる場所を好むので、植木鉢が日に当たる場所に置きます。成長するに従い大きめの鉢に植え替えてください。狭い場所で育てる場合は樹高を低くして管理するのがおすすめです。

フヨウのQ&A

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まとめ

フヨウは大輪の花が魅力で、夏から秋まで長く花を楽しませてくれるでしょう。花芽を気にせず剪定することができるので、初心者でも扱いやすいと思います。フヨウの中でもスイフヨウは耐寒性が弱いので、庭植えする地域を考えるようにしましょう。