キョウチクトウの育て方

キョウチクトウは街路樹でもよく見かける樹木で、暖地で育ちます。花色も豊富で、剪定方法も複雑ではないので手入れが楽です。しかし、強い毒性があるので取り扱いには注意してください。キョウチクトウの育て方や特徴を紹介します。
キョウチクトウの特徴
【科/属】キョウチクトウ科キョウチクトウ属
【樹高】2~4m
【種類】落葉低木
【花期】6月下旬~9月下旬
【花色】白、赤、黄色、ピンク
【葉形】舟形
【使い方】庭木、街路樹、公園樹、鉢植え、漢方
【耐陰性】なし
【耐寒性】なし
【名前の由来】キョウチクトウの中国名は「夾竹桃」でその和音読み。
夾竹桃は、インド原産の常緑低木です。日本には江戸時代にわたってきました。夏の時期にたくさんの花を咲かせる樹木で、夏の暑さを感じさせるでしょう。
花
キョウチクトウの花は、6月~9月までと開花時期が長いです。淡いピンク色の花には、芳香があります。花は八重咲や白花、大輪種などもあります。
葉
キョウチクトウの葉は、舟形で厚く硬いのが特徴です。3~4枚の葉が輪生しています。
実
キョウチクトウの実は、長さ10~14cmくらいの実です。実がなることは少ないので、見たことがない方も多いでしょう。見た目は甘くて美味しそうに見えますが、キョウチクトウの実には毒があるので食べてはいけません。
樹高
キョウチクトウの樹高は、2~4mです。庭木として植えても高くなりすぎません。そのため、狭い庭でも扱いやすいでしょう。
種類
キョウチクトウは、外国で50種類くらいの品種が生み出されています。戦後日本に入ってきているので、花色や花の形が豊富なのが特徴です。原種の花はピンクまたは黄色ですが、白、赤、オレンジなどの色があります。花は八重咲のものもあります。
品種としては、大輪咲きの「プーラン・グレゴアル」や、小型でピンク色の八重咲になる「ミセス・ロディング」などがあります。ほかにも「斑入りキョウチクトウ」「シロバナキョウチクトウ」「ヤエキョウチクトウ」などもあります。「キバナキョウチクトウ」は近縁種です。
成長速度
キョウチクトウの成長速度はやや速いです。年間50cm前後成長するので、庭木として植える場合は、植え付け場所に注意しましょう。
キョウチクトウの基礎知識
キョウチクトウの花言葉は?
キョウチクトウの花言葉は、「危険な愛」「用心」「油断大敵」などです。
キョウチクトウには毒があるの?
キョウチクトウは猛毒を持っているので、樹木の取扱いに注意してください。小さな子どもやペットがいる家庭では、口にしないよう植えないほうがいいかもしれません。
樹皮や根は強心剤として用いられることがありますが、家庭で取り扱うことはできません。ひどい場合では心臓停止する場合があるので注意してください。
キョウチクトウの処分方法
キョウチクトウには毒があることから、剪定した枝の処分方法には注意が必要です。剪定した枝は自治体によっては無料で回収していたり、燃えるゴミとして回収していたりします。しかし、キョウチクトウは取り扱いが別の可能性があるので、個別で確認してください。
街路樹にも植えられているキョウチクトウ
キョウチクトウは非常に丈夫な樹木であることから、街路樹として植えられている地域があります。しかし、学校や高速道路に多数植えられたキョウチクトウが問題となることもあります。バーベキューでキョウチクトウの枝を串に使った場合の事故や、火災の際の問題もあるようです。
土壌汚染に強いキョウチクトウ
キョウチクトウはときに土壌汚染になることもあるので注意が必要です。毒が土壌にまで伝わってしまうので、周りに植物を植えるときは注意しましょう。隣接している家に植物が植えられているときも、毒性が伝わらないようにしなければなりません。
キョウチクトウはどんな香り?
キョウチクトウは甘くバニラを思わせるような香りがします。
キョウチクトウに似た花とは?
キョウチクトウの毒性を知って似た花を植えたい場合は、シャクナゲがおすすめです。花が桃の花にも似ています。シャクナゲはツツジ科の植物で毒性もないので、庭木としておすすめです。
キョウチクトウの育て方
キョウチクトウは、寒さに強い品種と暑さに強い品種があるが、どの品種も東京より南の地域でしか植えることができません。苗木の場合は東京でも霜よけをしましょう。
植え付ける場所は、日当たりと水はけのよい場所です。乾燥や大気汚染にも強く土質も選びませんが、日当たりのよさが重要です。
剪定
キョウチクトウは放任してもよく育つが、芽吹く力が強いので、好みの高さに刈り込んでも問題ありません。剪定する場合は花が咲き終わってからにします。
放任すると樹冠が大きくなるので、狭い庭では短く切り詰めましょう。短く切り詰めると、翌年は花の数が少なくなります。2~3年くらいでもとの花の量に戻ります。花芽は前年に伸びた枝の頂部にできるのですが、2~3番花は新梢につくのが特徴です。
枝を切ると乳液状のものが出てきます。この物質には毒が含まれているので注意が必要です。皮膚から毒が取り込まれることはありませんが、かぶれることがあるので、手袋を付けて作業したほうがいいでしょう。
害虫や病気
キョウチクトウは、カイガラムシに注意します。春から初夏にかけてもアブラムシが発生しやすいので、見つけ次第薬剤をまいて対処しましょう。
肥料
キョウチクトウはよほど土質が悪くなければ、肥料を必要としません。
増やし方
キョウチクトウは、挿し木または取り木で増やすことができます。5月下旬より暖かい時期に増やすようにしましょう。
移植や植え替え
キョウチクトウは移植することができます。春~秋にかけての移植が適期です。冬の時期の植え替えは避けてください。
キョウチクトウの入手方法
値段
キョウチクトウのポット苗は、数百円から入手が可能です。
販売先
キョウチクトウは関東より南の地域でしか植えられないので、暖地のホームセンターや園芸店で手に入れましょう。植木鉢で育てたい場合は、ネットショップでも手に入れることができます。
苗木
キョウチクトウの苗木を手に入れたら、5月~9月ごろが植え付けの適期です。遅霜が終わった頃に植え付けましょう。
キョウチクトウのQ&A
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まとめ
キョウチクトウは性質がとても強いので、植物が植えられないような土地でも育ちます。しかし、毒性があることから庭木として育てるのを断念してしまう方もいるかもしれません。同じキョウチクトウ科の植物では、日日草、プルメリア、テイカカズラもあるので似た品種を植える方法も考慮してみましょう。