ミツマタの育て方

ミツマタ

ミツマタは中国原産の樹木で、日本へは室町時代に伝わってきました。ジンチョウゲ科の植物のため、強い香りが魅力です。ボールのような花房も可愛らしく、樹高が高くならず病害虫にも強いので、初心者でも育てやすいでしょう。ミツマタの特徴や育て方を紹介します。

ミツマタの特徴

【別名】-
【科/属】ジンチョウゲ科ミツマタ属
【樹高】2~3m
【種類】落葉低木
【樹形】株立ち
【花期】3~4月
【花色】赤、黄色
【葉形】舟形
【使い方】庭木、和紙の原料
【耐陰性】なし
【耐寒性】なし
【名前の由来】枝が必ず3本に分かれて出るので「三又」。

ミツマタは、中国原産の落葉低木です。日本へは室町時代に渡来してきました。当時は線維植物として日本に広がり、和紙の原料としても知られています。

ミツマタという名前は、枝1か所の枝から3本の枝が出ることに由来します。花は強い香りがして、ボール状の花が咲くのが特徴です。

ミツマタ
ミツマタの花は、3月~4月に開花します。長さ約1cmの小さな花が、枝先に30個~40個まとまって咲きます。花房はボール状になり、付け根が白く花は黄色または赤色です。

ミツマタの花には強い芳香があります。花は葉が出る前に咲くので、枝先が花で覆われたようになります。

ミツマタ
ミツマタの葉は、先がとがった舟形です。葉の長さは5cm~20cmで、幅は2cm~5cmくらいになります。葉の両側には毛があるのが特徴です。

ミツマタの実は、緑色で毛があります。内果皮に包まれた核の中には、種が1つできます。

樹高

ミツマタの樹高は、2m~3mで低木です。高さは大きくなりませんが、自然樹形で株立ちとなるので、ある程度の横幅は必要です。人の背丈で花を楽しみたい方におすすめします。

種類

ミツマタ
ミツマタは、いくつかの種類があります。花が大きくなる「雲南産ミツマタ」や、花が赤くなる「アカバナミツマタ」などです。近縁種にナツボウズやナニワズがあります。

ミツマタの基礎知識

ミツマタ

ミツマタの花言葉は?

ミツマタの花言葉は、「強靭」「意外な思い」「意外なこと」などです。

和紙の原料になるミツマタ

ミツマタ
ミツマタは和紙の原料になる樹木のひとつです。ミツマタはお札の原料にも使われています。ミツマタの和紙はキメが細かく、証券用紙としても活用されています。

ミツマタの和紙は丈夫で破れにくい特徴があります。お札は和紙でできていますが、誤って洗濯しても破れません。

家庭で植えているミツマタを使って和紙をつくる場合は、枝を水に付けてから蒸し、皮をはいで乾燥させます。さらに苛性ソーダを入れたお湯で茹でるため手間がかかります。

生け花にもおすすめのミツマタ

ミツマタ
ミツマタは生け花としても用いられています。花を使うというより、枝に着色させてオブジェのように使うのが特徴です。家庭では枝ごと切り取り、生花材料として使いましょう。

ミツマタはどんな香り?

ミツマタは香木のひとつジンチョウゲと同じ「ジンチョウゲ科」のため香りがあります。ジンチョウゲより控えめな香りで、柔らかな甘い香りがします。

ミツマタの育て方

ミツマタ
ミツマタは、やや暖地性の植物のため、中国地方~四国で多く栽培されています。植え付け場所は、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。湿った場所は苦手なので避けてください。

剪定

ミツマタは、特に剪定しなくても自然樹形が整います。地際からひこばえが出るので、ときどき切りとりましょう。また、混みあった枝も切り取ってください。

長い枝を切る場合は、枝の途中で切ると芽が出ません。必ず枝の付け根から切りとるようにします。剪定に適しているのは、1月~2月までです。

ミツマタの花芽は、新梢の頭部につきます。

害虫や病気

ミツマタは、稀にテッポウムシの被害が見られる程度です。テッポウムシを見つけたら早めに駆除しましょう。

肥料

ミツマタ
ミツマタの肥料は、2月と8月下旬に与えます。油粕と骨粉を混ぜ合わせたものを施します。

増やし方

ミツマタは、種で増やすことができます。夏に果実がなって熟したら、中にある種を採取しましょう。よく洗ってから冷暗所で保管し、翌春に土にまきます。

移植や植え替え

ミツマタは根が細いので、大株になってからの移植は避けましょう。最初から植え付け場所に注意することが大切です。若木の内は半日陰で管理できて、成木になったら日が当たる場所が適しています。

ミツマタの入手方法

ミツマタ

値段

ミツマタのポット苗は、1,000台で売られています。

販売先

ミツマタは暖地で栽培が可能な植物のため、暖かい地域のホームセンターや園芸店で入手が可能です。近くのお店で見つかりにくい場合は、ネットショップの活用がおすすめです。

苗木

ミツマタの苗木を入手したら、芽が出る前の3月に植え付けます。根が細いので、根鉢を崩さないように植え付けましょう。

水はけのよい場所を好むので、高めに植えてください。苗木はぐらつきやすいので、支柱を立てて固定します。

鉢植え

ミツマタを植えるスペースがない場合や、寒冷地で育てる場合は鉢植えで管理しましょう。日当たりが悪いと花つきが悪くなるので注意が必要です。根が細く移植で枯れやすいので、植え替え時は土を軽くほぐす程度にします。

ミツマタのQ&A

植物の質問です。ミツマタという木をご存知で・・・

枝が分かれる時に必ず三方向に分かれるからミツマタという名前が付いたと以前教わりました。今年、二本植えましたが一本はその通りに必ず三方向に枝分かれしています。もう一本はほとんどの分かれ方が四方向、五方向に分かれています。紛れもなないミツマタですがこの分かれ方も普通なのでしょうか?
植物の質問です。ミツマタという木をご存知で・・・の詳細

低木種のミツマタは、鉢植えでベランダ栽培で・・・

低木種のミツマタは、鉢植えでベランダ栽培できますか?また虫は付くのでしょうか?マンション住まいのため、大きくなる木が育てられませんのでお教えください。
低木種のミツマタは、鉢植えでベランダ栽培で・・・の詳細

ミツマタ(アカバナミツマタ)が突然枯れてき・・・

5月に購入し、8か9号鉢に植えました。20cmくらいだったのが、現在60cm位まで成長しています。昨日まで元気だったのに急に葉がしおれ写真の様に…
ミツマタ(アカバナミツマタ)が突然枯れてき・・・の詳細

ミツマタの鉢植えを買い求めて3年になります・・・

とても可愛い花で、しかも室内に置いておくと北国でも、もう間もなく咲き始める頃となります。ところで,さし木で増やすことはできるでしょうか?
ミツマタの鉢植えを買い求めて3年になります・・・の詳細

これ本当にミツマタですか ミツマタだと思いま・・・

ミツマタだと思いますけれども花は枯れて葉は出ていますけれども枝先だけにしか出ていません。それも天に向けて・・。
これ本当にミツマタですか ミツマタだと思いま・・・の詳細

まとめ

ミツマタといえば紙幣の和紙の原料となることでも知られています。丸い花房が魅力的なので、庭木として育ててみるのもよいでしょう。低木で樹高が高くならず、自然に育てて樹形が整うので管理が楽です。花は黄色や赤など花色も選べます。