ツツジの育て方
ツツジは日本に自生するものや、改良を加えられたものなど種類が多いです。剪定にも強い木で、性質が丈夫なため初心者でも扱いやすいでしょう。挿し木での増やし方や品種ごとの特徴を紹介します。
ツツジの特徴
【科/属】ツツジ科ツツジ属
【樹高】50cm~2m
【種類】落葉低木
【花期】4月中旬~6月中旬
【花色】白、赤、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭植え、生花材料
【耐陰性】ない
【耐寒性】強い
【名前の由来】花が筒状に咲くので、筒花から。
ツツジは非常に丈夫な植物です。そのため、日本各地でもツツジを見ることができます。
公害にも強いので、街路樹や公園でもよく見かける植物です。日本に自生するものや、改良を加えられたツツジは落葉性と常緑性の2種類があります。
常緑性のツツジは東洋原産で、ヨーロッパやアメリカで見られる常緑性のツツジは、日本など東洋のツツジが伝わったものです。海外では落葉のツツジも改良され、海外の品種も日本で植えることができます。
花
ツツジは筒状になった花が特徴的です。花色も白、ピンク、紫など多くの色が存在しています。開花時期は種類によって異なりますが、4月の中旬~6月の中旬くらいまでです。
葉
ツツジは種類によって葉の大きさは形が違います。葉が大きいのがツツジで、サツキの葉は小さいです。
ツツジとサツキとの間の交配種もあるので比べるのは難しいのですが、サツキは新芽が伸びてから花が咲くのに対し、ツツジは花が咲いてから新芽が出ます。
実
ツツジは実を付けます。中には食べられるものもあります。
紅葉
落葉のツツジは、秋になると真っ赤に紅葉します。庭で紅葉を楽しみたい場合は、常緑のツツジではなく落葉性の品種を選びましょう。
樹高
ツツジの種類によっても異なりますが、共通するのが低木だということです。高さは50cmくらいの小型のものもあれば、2mまで成長するものもあります。
種類
ツツジの種類はとても多くなっています。日本に自生しているツツジは20種類で、改良されたものは数百種類です。ツツジは大まかに6種類に分類することができます。
1・落葉性で花芽と葉目が別
ムラサキヤシオ、アケボノツツジなどが当てはまります。
2・落葉性黄色い花
レンゲツツジが当てはまります。群馬県でよく見られる品種です。
3・落葉性大型
オオバツツジのみが当てはまります。
4・常緑性のツツジ
常緑性のツツジは多数の品種があります。サツキ、ヤマツツジ、ミヤマキリシマ、モチツツジ、リュウキュウツツジ、キリシマツツジ、ケラマツツジ、シナノツツジ、コメツツジ、フジツツジが当てはまります。
キリシマツツジは江戸時代に作られたもので、ミヤマキリシマとヤマツツジから交配されました。キリシマツツジの名前の由来は、「薩摩国霧島から出たツツジ」という意味です。キリシマツツジとクルメツツジは元が同じ品種を使っています。
サツキもツツジの一種で、現在出回っているものはサツキとマルバサツキを交配したもの、またはサツキとマルバサツキの実生から生み出されたもの、アザレアとの交配のものなど1,000種類ほどあります。
5・東南アジアに自生
落葉性の低木で、花と枝が同じ芽から出ます。
6・常緑性と東南アジアの中間種
サクラツツジが当てはまります。
成長速度
ツツジの品種によっては成長が速い品種と、鉢植えに適した成長が遅い品種があります。
ツツジの基礎知識
ツツジの花言葉
ツツジの花言葉は「節度」「慎み」です。
ツツジの花が咲かないのは?
秋に強く刈り込み過ぎると、翌年花が咲きません。花芽は7~8月ごろにできるので、その前に剪定するようにしましょう。
ツツジの育て方
一般的にツツジは日当たりがよく、西日の当たらないところを好みます。水はけが悪い場所に植えると根腐れしやすいので、注意しましょう。
サツキも日当たりがよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。潮風と公害に強い品種も出回っています。常緑性のツツジは比較的暖かい場所を好むので、寒冷地に植える場合は霜よけ対策が必要です。
剪定
ツツジは剪定に強い品種です。玉作りにして小さくしたり、数本を寄せて植えて平面にそろえたりすることもできます。剪定は6月ごろと、従長枝のみを9~10月ごろに切り取ります。
狭い庭でツツジを小さく育てたい場合は、小型のツツジが向いています。クルメツツジなら小さな庭でも育てやすいでしょう。
害虫や病気
ツツジはもち病に注意が必要です。もち病とは葉がもちのように膨らむ病気で、見つけたら薬剤を散布しましょう。
害虫はツツジグンバイムシが付くことがあります。葉に小さな黄色い斑点が見られたら、薬剤を散布して除去が必要です。
肥料
ツツジを植え付けるときに堆肥を混ぜ込み、根づいたら固形の油粕や、大粒の化成肥料を与えます。大量の肥料を与えると根が焼けるので、与えすぎに注意してください。肥料は花が終わったときと、梅雨明けに肥料を与えるようにします。
挿し木
ツツジは挿し木で増やすことができます。5月下旬~6月ごろに、その年に伸びた枝を使いましょう。
新しい枝をカットしたら切り口に発根剤を塗り、下から1/2まで葉を取り除きます。葉を取った枝を赤玉土の小玉に入れて根が出るのを待ちます。
移植や植え替え
ツツジを移植する場合は、3月~4月下旬までか、秋は9月上旬~10月中旬までが適しています。
用土
庭の土が粘土質だった場合は、腐葉土や堆肥を混ぜて水はけをよくします。植える際には根をよくほぐし、横に広がるように植えて深植えにならないようにしましょう。
ツツジは連鎖を嫌うので、一度ツツジを植えた場所は土壌改良が必要です。その場合は、腐葉土やピートモスを入れて混ぜ合わせます。
水やり
ツツジを植えたらたっぷりと水を与えてください。受け付けた年は、夏の暑い時期の夕方に水やりをしましょう。
雪囲い
寒冷地でツツジを植える場合は、雪の重みで枝が折れないように雪囲いをする必要があります。ツツジの周りを数本の竹で覆い先端を結んで、周り縄を横に張っていきます。
ツツジの入手方法
値段
ツツジは小さな苗なら1,000円以下でも手に入ります。大きな株に育ったものは1万円程度するものもあります。
販売先
ツツジは近くのホームセンターや園芸店で比較的容易に手に入るでしょう。
鉢植え
鉢植えとしてはアザレアが用いられることがあります。アザレアは別名セイヨウツツジとも呼ばれるもので、東洋のツツジをベルギーやオランダで交配されました。
鉢植えとして楽しむのがおすすめですが、東京の西日の当たらないところなら庭植えもできます。高温や日差しには弱いので、温かい地域では注意が必要です。
盆栽
ツツジは盆栽として出回っているものもあります。小さなポット苗を購入して、枝に針金を通し自分で盆栽を手作りすることもできます。
寄せ植え
ツツジは庭植えだけでなく、プランターに植えて寄せ植えすることもできます。春に咲く花を組み合わせるとよいでしょう。
ツツジのQ&A
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ツツジをプランターで何年も育てています。そろそろ盛りも過ぎて剪定をしたいのですが、大きくなりすぎたので小さくコンパクトに剪定するにはどのような剪定をしたらよいですか?
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まとめ
ツツジは強い品種が多いため、初心者でも植えやすいでしょう。品種が多くどれを選んでいいか迷ったら、近くの園芸店で扱っている品種がおすすめです。
ネットでツツジの苗を購入する場合は、住んでいる地域で植えやすいか確かめましょう。ツツジは剪定にも強く、根づいてしまえば水やりも不要で、管理が楽な庭木のひとつです。