トサミズキの育て方
トサミズキは、葉が出る前に黄色い花が咲くのが特徴です。派手な花ではありませんが、江戸の頃から盆栽や生花材料として使われてきました。剪定が楽で初心者の方にもおすすめです。耐寒性はないので暖かい地域で育てましょう。
トサミズキの特徴
【科/属】マンサク科トサミズキ属
【樹高】1.5~4m
【種類】落葉低木
【花期】3月
【花色】黄色
【葉形】卵形
【使い方】庭木、生花材料、茶花
【耐陰性】なし
【耐寒性】なし
【名前の由来】土佐の蛇紋岩地に自生していることから。
トサミズキは、春に咲く黄色の花が特徴です。花は派手ではなく地味ですが、どの春の花よりも早くに咲くので、印象高いでしょう。春の花だけでなく、秋の黄金色の紅葉も魅力の樹木です。
「ミズキ」という名前が付いていますが、ミズキはミズキ科なのに対し、トサミズキはマンサク科で違う種類です。ミズキ科の植物と似ていることから、この名前が付けられました。
花
トサミズキの花は、葉が出る前に花が咲きます。花穂が枝先に付き、垂れ下がるのが特徴です。5弁の花が7~8個まとまって付く様子は、茶花としても活用されています。開花時期は3月です。
葉
トサミズキの葉は、丸型で優しい緑色をしています。葉もミズキとよく似ていますが、トサミズキのほうが葉が小さいです。
紅葉
秋になると、トサミズキの葉が黄金色に変わり、紅葉も見事です。庭に黄色く紅葉する樹木を植えたいときに役立つでしょう。
実
花が咲き終わると、連なったような実がなります。実が熟すと、中から種が出てきます。
樹高
トサミズキの樹高は、1.5~4mです。株立ちになり、大きくしたくない場合は、芯を切り落とすこともできます。
種類
トサミズキの仲間には、「ヒュウガミズキ」があります。ヒュウガミズキは別名「ヒメミズキ」や「イヨミズキ」とも呼ばれているものです。トサミズキと比べて花穂が短く、枝が細くて地際から細い枝が出てきます。ほかにも、香りの楽しめる「ニオイトサミズキ」というトサミズキもあります。
成長速度
トサミズキの成長速度は、やや速くなっています。
トサミズキの基礎知識
トサミズキの花言葉は?
トサミズキの花言葉は、「清楚」「愛」「伝言」などです。
トサミズキに似た花とは?
写真はヒュウガミズキ
トサミズキと似た花は、ヒュウガミズキの花です。トサミズキは花が7~8付いて花穂が長いのに対し、ヒュウガミズキは花の数が少なく3個で花穂が短くなります。
生け花にも使えるトサミズキ
黄色い花が付くトサミズキは、生け花にもよく用いられています。日本では江戸時代から、トサミズキを盆栽や生け花に使ってきました。
トサミズキの育て方
トサミズキは、日当たりと水はけのよい場所に植え付けましょう。多少の日陰でもよく育ちます。ヒュウガミズキは枝が折れやすく公害に弱いので、植え付ける場所に注意してください。どちらの品種も、潮風には弱いです。植える場所の土質は選びません。
剪定
ヒュウガミズキは四国や本州中部に自生している木のため、放任しても自然樹形になるので、特別な剪定をする必要はありません。剪定する場合は、混みあっている枝や、古い枝を取り除く程度です。
株が大きくなりすぎて切り詰めたい場合は、芯を半分くらい切り返します。長く伸びた枝は、5~6芽残して切り落としましょう。花芽は短枝に付きます。不要なひこばえも切り取ってください。
ヒュウガミズキを春に選定すると、切り口から水が多く出るので避けます。剪定に向いているのは、新しい枝の成長が止まった5~6月ごろです。切り花として楽しむ程度なら、春に切っても株に影響を与えることはありません。
害虫や病気
ヒュウガミズキは、病害虫がほとんど発生しません。新芽のころに草を食べる虫に注意するくらいです。害虫はテッポウムシが付くことがあります。
肥料
ヒュウガミズキの肥料は、8月下旬に油粕と骨粉を与えます。
増やし方
3月に前の年に伸びた枝を使って、挿し木で増やすことができます。または、3月に株分けで増やすことも可能です。
移植や植え替え
トサミズキの苗木を購入したら、2月下旬~3月に植え付けましょう。11月~12月に移植することができます。
トサミズキの入手方法
値段
トサミズキは、ポット苗なら1,000円くらいから売られています。
販売先
トサミズキを植えられる地域なら、近くのホームセンターや園芸店で入手が可能です。
盆栽
トサミズキを盆栽として育てると、黄色い花が咲き、続いて丸い緑の葉を楽しむことができます。日当たりのよい場所に置いて、寒さに注意してください。土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。肥料は2月と9月に固形肥料を与えます。
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まとめ
トサミズキは江戸時代から、盆栽や生花材料としても用いられてきました。葉が出る前に黄色い花が咲くのが特徴で、春の訪れを感じさせてくれるでしょう。四国地方に自生する木なので、丈夫で初心者でも育てやすくなっています。