挿し木、接ぎ木、種まきの方法

木の増やし方

家庭で育てている庭木を増やす場合は、5つの方法で増やします。それぞれの樹木に合った増やし方を利用すれば、家庭でも簡単に増やすことが可能です。

挿し木、接ぎ木、取り木、根伏せはどれも、親の性質をそのまま受け継ぐ方法です。種まきは親の性質を受け継がないことも多いので、見た目が違う品種が誕生することがあります。

挿し木のやり方

挿し木の方法
挿し木とは、増やしたい庭木の枝を切りとり、土にさして根を出させる増やし方です。挿し木には休眠期の枝を使う「休眠枝挿し」と、新梢を使う「新梢挿し」の2種類があります。

休眠枝挿し

株が休眠しているころに枝を採取する休眠枝挿しは、落葉樹のみ対応可能です。休眠枝挿しは、春に芽が動く前の3月に挿し木をします。

休眠枝を挿し木に使う場合は、徒長枝や二番枝は使いません。中間部分を用いて挿し木にします。

新梢挿し

新梢挿しは、落葉樹や常緑樹どちらも対応が可能です。新梢が伸びて固まってきた、6月~7月ごろに枝を採取して挿し木します。

新梢挿しの場合は、徒長枝を使って挿し木することができます。

挿し木の方法


挿し木をする場合は、親木が若いうちにやりましょう。木も人と同じように老木になれば、木の成長が遅くトラブルに対処しにくくなります。若木から採取したほうが、根が出やすいのでおすすめです。

挿し穂は10~12cmの長さにとります。よく切れるナイフで切り口を×のようにカットして、断面を滑らかにしておきましょう。

土にさすときは、切り口に発根剤を塗りつけておきます。

接ぎ木の方法

接ぎ木の方法
接ぎ木とは、台木を用意して親木を接ぐ増やし方です。木の増やし方で最も難しい方法ですが、一度成功すれば違う種類でもできるようになるでしょう。

失敗せず接ぎ木するには、台木の根が充分活動している必要があります。根が動き水や養分を吸い取っている場合は、接ぎ木をしても失敗が少ないです。

逆に台木が活動をしておらず、接いだ穂木のほうが芽を伸ばすようだと、上手く接ぎ木ができず枯れてしまうことが多いです。

接ぎ木が必要な樹木は、挿し木が難しい品種です。または挿し木ができても成長が遅く花や実がなるのが遅い場合は、台木を使ったほうが早くなります。

果樹でも接ぎ木はよく用います。寒さや暑さ、病害虫に弱い品種は、それらに強い台木を使って接ぎ木することで、育ちやすくなるためです。果樹の苗木は接ぎ木で増やしたものがよく売られています。

接ぎ木は、「芽接ぎ」「切り接ぎ」「呼び接ぎ」など種類があります。

芽接ぎ

芽接ぎとは、親木の芽だけを使って接ぎ木する方法です。芽だけを接ぐため、台木に花色の異なる芽を複数接ぐことができます。家庭では呼び接ぎに次いで失敗が少ない方法です。

芽接ぎに向いているのは、バラ、モモの木、桜、ミカンです。バラはノイバラの実生を使い、モモの木は食用桃の実生、桜はオオシマザクラの実生か挿し木を使います。ミカン科の植物は、カラタチの実生を台木に使いましょう。

芽をそぐ前に、台木つくりをしましょう。芽を接ぐ部分の幹をT字形にそぎます。上が広く下がすぼむようにそいでください。

芽接ぎは8月~9月に、枝の中間部分にある充実した芽を使います。芽を切りとるときは「芽切りナイフ」を用いましょう。木質部もわずかに削りながら芽を切りとります。

そいだ芽は、台木の皮をそいだ部分に接ぎます。台木の皮を左右に開いて、そいだ芽を入れましょう。接いだ部分は芽だけを出して、そいだ部分を乾かさないよう周りをビニール紐で結びます。

切り接ぎ

切り接ぎは、親木から穂木を切りとる方法です。接ぎ木の中でも最も一般的に用いられています。1本の台木に対し、1本の穂木を接いで増やすやり方です。

呼び接ぎ

呼び接ぎは、接ぎ木初心者が失敗しにくいやり方です。台木と増やす親木を側に置いて、お互い枝をそいで着けさせます。着いてから枝を切りとるので、枯れる心配が少ないでしょう。

台木と接ぐ木2本が密着するよう、近くに植え直します。お互いの幹を木質部が出るくらいそぎ落としましょう。親木は台木よりも少し大きくそいでください。

高い場所の枝で呼び接ぎをする場合は、接ぐ木の根を水苔で覆いビニール袋で覆って台に乗せます。接ぐ木が倒れないよう、台木にしっかり紐でくくりつけましょう。それぞれの枝をそいで接ぎ、紐でしばって密着させておきます。

台木と親木が着いたら、その下から切りとり1本の苗木をつくります。

種まきの方法

種まきの方法
山に自生している樹木から種を採取すれば、そのまま親の性質を受け継ぐことができます。しかし、苗として出回っているものは人工的に改良を加えているので、種まきで増やしても、親の性質をつがないことが多いです。

苗木として出回っているものは、種を交配させてより花が美しく咲いたものを、接ぎ木や挿し木で増やしているためです。種から育てると親の性質は継ぎませんが、その代わり違った品種ができる楽しみもあります。

果肉がある種

果肉が付いている実を収穫した場合は、果肉をすぐに洗い落としましょう。果肉がある樹木は、ビラカンサ、ナンテン、イチイなどです。

まとめて複数の種を採取する場合は、果肉の付いた実を布袋に入れます。下がコンクリートになるよう置いてから、上から押しつぶすようにすると、まとめて果肉を落とせます。

種まきする時期

果肉が付いていたものも、果肉がなく乾いた種も、すぐに土にまきます。秋に種を採取して土に植えると、翌年の春~夏までに芽が出ます。春まきした種は、翌春まで芽が出ないことも多いです。

亜熱帯原産の樹木は、初夏に種まきします。ブラシノキ、サルスベリなどがあたります。夏に種をまいたら、2ヶ月ぐらいで芽が出るでしょう。

普通の種の種まき方法

種を採取したら、箱まきします。箱の底にゴロ土を入れ、その上に小粒の赤玉土を入れてから種まきしましょう。種の上に土を2cmくらいかけます。

細かい種の種まき方法

細かい種をまくときも、同じように箱まきします。底からゴロ土、小粒の赤玉土を入れてから種をまきましょう。最後に水苔を5mm程度乗せます。

種が細かいのは、ツツジ、サツキ、シャクナゲ、ブラシノキなどです。細かい種は雨で流れやすいので、雨が当たらない軒下で管理してください。

マツやツバキの種まき方法

マツやツバキのように大きな種は、それぞれを植木鉢に植えます。植木鉢の底にゴロ土を入れ、その上に小粒の赤玉土を入れてから、種をまきましょう。

まとめ

庭木を育てていると、誰もが「増やしてみたい」という衝動にかられると思います。植えている木を増やすことができれば、知り合いに譲ることもできるでしょう。生垣のように複数本の苗木が必要な際にも、木を増やす方法がおすすめです。ぜひ挿し木、接ぎ木、種まきにチャレンジしてみてください。