リンゴの木の栽培方法

リンゴの木は果樹の中で耐寒性が高く、寒冷地におすすめです。横に広がりにくい品種や、暖地でも栽培が可能な品種もあります。実を大きくするには摘果と正しい剪定が必要なので、リンゴの木の特徴や育て方をチェックしましょう。

リンゴの木の特徴

【別名】-
【科/属】バラ科リンゴ属
【樹高】2~3m
【種類】落葉高木
【樹形】1本立ち
【花期】4~5月
【花色】白、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭木、食用
【耐陰性】なし
耐寒性】強い
【名前の由来】リンゴの中国名は「林檎」で和音読みに転化された。

リンゴは、ヨーロッパ原産の、落葉高木です。寒さに強いので、北海道・東北地方などで栽培が可能です。

暖地の場合は、晩生の品種を選ぶ必要があります。リンゴの木は夜我の影響が出てくるので、袋かけやネットをかけて防がなければなりません。

また、リンゴは自家不結実性が強い果樹のため、自家結実しやすい品種を一緒に植える必要があります。

リンゴの木
リンゴの木の花は、観賞性が高くなっています。花期は4月~5月までで、白色やピンク色の花が枝先にまとまって咲きます。

リンゴの花の大きさは、径3cm~4cmです。

リンゴの木
リンゴの木の葉は、先がとがった卵形です。葉の長さは5cm~13cmで、縁には鋭いギザギザがあります。

リンゴの木
リンゴの木の実は、ヒメリンゴのような小さな実がなるものや、大果種もあります。実の色は赤や青など種類が豊富です。

ヒメリンゴの実は、径2cm~5cmで小型です。ヒメリンゴは実を食べてもそれほど甘くはないので、主に観賞用や鉢植え、盆栽用としても用いられています。

樹高

リンゴの木の樹高は、2m~3m程度です。中には10m以上の高木になる品種もありますが、一般的に3m前後に剪定して樹高を低くします。

種類

リンゴの木
日本では、江戸時代のころに中国から伝わってきました。そのころのリンゴは小型です。

現在のような大果種は、明治にヨーロッパから入ってきました。日本でも気候にあった品種を多く生み出し、早生種や晩生種などがあります。

シナゴールド

シナゴールドは、「ゴールデンデリシャス」と「千秋」から交配されました。実が黄緑色から黄色かかった色になります。甘みと酸味のバランスが整った品種です。

つがる

つがるは大果種で果汁が多いタイプです。実は赤くなり、酸味が少なくなっています。早生種のひとつで、早ければ8月下旬から実を収穫できるのが特徴です。

ふじ

ふじも大果種で、世界中で栽培されている人気種です。実がよくなり、果汁が多く味がよくなっています。晩生種で日持ちが良い品種です。

アルプス乙女

アルプス乙女は小型の品種です。自家結実性があるので、授粉樹としても用いられています。実が小さいので、鉢植えとしてもおすすめです。実つきがよくなっています。

王林

王林は「ゴールデンデリシャス」と「印度」から交配されました。実は緑色で、果汁が多く甘みが強い品種です。

シナノスイート

シナノスイートは「ふじ」と「つがる」の交配種です。果汁が多く甘みが強くなっています。実が大きく、寒冷地での栽培におすすめです。

リンゴの木の基礎知識

リンゴの木

リンゴの花言葉は?

リンゴの木の花言葉は、「名声」「選ばれた恋」「永遠の幸せ」などです。

リンゴの授粉とは?

リンゴの木は、1種類では授粉できず実がなりません。そのため別に授粉樹を用意する必要があります。同じ時期に花が開花する品種を別に用意しましょう。

リンゴの木の実つきをよくするには、2品種植えて人工授粉するのがおすすめです。ヒメリンゴを植えてもよく実をつけます。

リンゴの木の育て方

リンゴの木
リンゴは耐寒性が強く、年間平均気温が7~12度の地域で栽培が可能です。寒冷地では北海道中部までの栽培が可能で、東北地方や長野県でも栽培されています。

ただし、春の開花時期に寒い風に当たると、花が傷んでしまいます。暖地ではサビ症にかかりやすいので、暖地でも育てることができる晩生品種を選んでください。

リンゴの木の栽培場所は、日当たりがよい場所です。土質は肥沃なところを好みます。夏の暑さを控えることができて、西日が当たらない場所に植えましょう。

剪定

リンゴの木は、樹高を抑えて実をつけるための剪定が必要です。コンパクトに育てて通風と日当たりをよくするために、不要な枝を切りとります。

剪定に適しているのは、12月~2月中旬までの落葉期です。長い枝や弱い枝、枯れ枝を整理します。

リンゴの木は長い枝に花芽がつかないので、徒長枝は5~10芽を残して切り詰めます。花芽は基部の太い短枝につくので、剪定して短い枝を充実させます。

摘果


リンゴの木は1つずつの実を充実させるために、摘果の作業が必要です。枝の先端付近の2~3芽と、短い枝に花芽がつきます。

苗を植え付けてから3年目になると実をつけさせましょう。花が蕾の段階で花の数を調節しながら、花が咲いてからや実をつけてから摘果していきます。

残す花は、もっとも早く開花した花で、1つの花房から2~3個を残します。花は予備として1~2個余分に残して摘み取ります。最終的には1つ花房に対し実を1つに調節して、葉70枚に1果になるようにしましょう。

袋かけ

実を摘果したら、害虫の被害を防ぐために袋かけをします。付けた袋は収穫の1か月前に外して、十分に日の光を当てましょう。

害虫や病気

リンゴの木は、赤星病、うどんこ病、アブラムシ、シンクイムシなどが発生しやすくなっています。病害虫を見つけたら、早めに対策しましょう。

肥料

リンゴの木
リンゴの木は、1月~2月と9月に肥料を与えます。9月は春の肥料よりも半分程度の量です。

増やし方

リンゴの木は、接ぎ木で増やすことができます。挿し木での発根率は高くなく、種から増やしても同じ品種が育つとは限りません。市販されている苗木も、接ぎ木で増やしたものが多いです。

移植や植え替え

リンゴの木の移植や植え替えが必要となる場合は、12月~2月におこないます。雪が積もる地域では、秋か雪が溶けてからがおすすめです。

リンゴの木の入手方法

リンゴの木

値段

リンゴの木のポット苗は、1,000円前後から売られています。

販売先

リンゴの木は寒冷地での栽培が主なので、寒い地方のホームセンターや園芸店で探しましょう。暖地で寒冷地向けの品種は難しくなるので、植え付ける地域で売られている品種を選びましょう。

近くのお店で特定の品種が見つからないときは、ネットショップの活用がおすすめです。

苗木

リンゴの木の苗木を入手したら、12月~2月に植え付けます。雪国では11月か、雪が溶けてから植え付けましょう。

苗木は幹が1本だけになっているので、地上から50cmのところで切り詰めます。ぐらつかないように支柱を立てて固定しておきましょう。

鉢植え

リンゴの木を植えるスペースがない場合は、鉢植えでも管理できます。鉢植えでは逆三角形になるように、幹を3本に仕立てるのがおすすめです。

幹から出る不要な枝は、必ず根元から切ります。3本出た枝は均等に伸びるようにします。

コルドン仕立てにする場合は主幹を2本に仕立てて、それぞれの枝を垂直にして2本ずつ枝を出させます。コルドン仕立てで出た枝は、ネット、フェンス、外壁などに這わせましょう。

リンゴの木のQ&A

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畑に林檎(リンゴ)の樹を2本植えてありますが、1本は、いまだ、花が咲いたり、新葉が生えて来ないです。側枝によっては、写真のように、幼虫が中を食ったような形跡があります。
林檎(リンゴ)の樹が、花が咲いたり、新葉が・・・の詳細

まとめ

リンゴの木は春に可愛い花が咲き、実も食べられるので植えてみたい方も多いでしょう。果樹の中では耐寒性が強いほうなので、寒い地域で実がなる木を育てたい方におすすめです。逆に暖地では育ちが悪く病害虫も発生しやすいので、暖地で育ちやすい品種に注意してみましょう。