アセビの育て方

アセビ馬酔木

アセビは日陰にも強く、スズランのような小花が魅力の常緑性の低木です。毒を持っているため食べることはできませんが、剪定も不要で、斑入りの葉も楽しめて初心者でも育てやすいでしょう。アセビの育て方や特徴を紹介します。

アセビの特徴

【別名】アセボ、アシビ
【科/属】ツツジ科アセビ属
【樹高】1~5m
【種類】常緑低木
【花期】3月中旬~4月下旬
【花色】白、赤、ピンク
【葉形】卵形、舟形
【使い方】庭木、鉢植え、盆栽
【耐陰性】ややある
耐寒性】強い
【名前の由来】馬が食べると酔った状態になることから「馬酔木」の当て字。

アセビは漢字で書くと「馬酔木」です。有毒性分を含むので、馬がアセビを食べると麻痺してしまいます。人が食べても有毒な植物のため、食べないようにしましょう。

強い性質の木で、初心者でも育てやすいです。やや耐陰性がある木で、日陰で植物を植えたい方にも向いています。

アセビ馬酔木
アセビの花は、つぼ形の花がまとまって咲きます。白い花は見た目がスズランのようです。花色は白、ピンク、赤などがあります。

花が咲き終わったら花穂を取り除いて、翌年の花付きをよくしましょう。開花時期は3月中旬から4下中旬までで、春の花として楽しむことができます。

アセビ馬酔木
アセビの葉は卵形で、枝の両端に葉が付く舟形もあります。品種によって葉に斑が入るので、庭のカラーリーフとしてもおすすめです。

アセビ馬酔木
アセビの実は、11月~3月初旬にかけてなります。実を付けさせて楽しんでもよいのですが、来年の花付きのことを考えて、実がなる前に花がら摘みをするのが一般的です。種を採取して増やす場合は、実を残しましょう。

樹高

アセビの樹高は1~5m程度で、常緑の低木です。冬の間に庭で緑を楽しむことができるので、落葉樹と合わせて植え付けるとよいでしょう。

種類

アセビは複数の種類があります。白い花と葉が斑入りになる「フクリンアセビ」、葉の縁が白になり花穂が長い「ホナガアセビ」、花がピンクになる「クリスマス・チーア」、新葉が濃い赤色になる「ウェークハースト」などです。

ほかにも花が大きくなる「リュウキュウアセビ」、ピンクの花色が特徴の「アケボノアセビ」、新緑が美しくピンクの花が特徴の「ベニバナアセビ」もあります。「ヤクシマセビ」「フレーミングシルバー」など種類が多いのが特徴です。

成長速度

アセビは樹高が高くなく、成長速度も比較的ゆっくりなため、狭い庭でも扱いやすいでしょう。もともと小さな庭木ですが、あえて小さく仕立てて花を強調する方法もあります。

アセビの基礎知識

アセビ馬酔木

アセビの花言葉は?

アセビの花言葉は、「犠牲」「献身」などです。

アセビをドライフラワーとして楽しむ

スズランのような小花が咲くアセビは、ドライフラワーとして加工することができます。アセビの花穂のみを切り取り、1本ずつ干しましょう。風通しのよい日陰で干すと、きれいなドライフラワーになります。

アセビが枯れる原因とは?

アセビは熱がこもると株が弱くなりやすいので、植える場所に注意します。また、粘土質のような場所に植えると、細い根が出ることができず枯れることがあります。腐植質のある土を入れて、軽くすることがポイントです。

アセビは北海道でも植えることができる?

アセビ馬酔木
アセビが自生するのは東北地方や四国、九州などです。やや耐寒性があるので、北海道南部でも植えることができます。

アセビの香りはどんな香り?

アセビはジャスミンにも似た香りがします。甘い香りが特徴なので、花が咲いたら香りを楽しむことができます。

生垣にもおすすめのアセビ

アセビは和風庭園の生垣としてよく用いられています。低くそろえておけば、視界を遮らずよい庭の区切りになります。

アセビに殺虫効果がある?

アセビはかつて殺虫剤として用いられました。殺虫剤として使う場合は、花や葉をに出した物を活用します。

アセビの育て方

アセビ馬酔木
アセビは丈夫な庭木で、日当たりのよい場所でも、日陰でも育ちます。花付きを良くしたい場合は、日当たりがよい場所に植えましょう。

土質も特にこだわらなくても大丈夫です。日当たりのよい場所に植える場合は、腐植質の多い土を選んでください。

剪定

剪定はとくに必要なく、自然樹形を保つようにします。風通しが悪くなっているなら、混みあった小枝を間引いてください。

地面から生えてくるひこばえは除去します。強剪定をしすぎると、翌年の花付きが悪くなるので注意しましょう。

害虫や病気

一般的に害虫は付きにくい庭木ですが、アセビは風通しが悪くなるとハマキムシが発生しやすくなります。また、テッポウムシも発生しやすくなるので注意しましょう。害虫が発生する場合は、混みあった枝を間引いて風通しをよくします。

肥料

アセビ馬酔木
アセビは細い根が特徴のため、植え付けるときは、完熟堆肥を多めに入れます。やや高めに植え付けるとよいでしょう。

毎年の肥料は、2月に与えます。堆肥や腐葉土を根元に敷いて、マルチング代わりにするのがおすすめです。

増やし方

アセビは挿し木と取り木で増やすことができます。挿し木はその年に伸びた枝を10cmくらいでカットして、上の葉数枚を残して、発根剤を付けて植え付けてください。

取り木をする場合は、取り木する部分にミズゴケを巻き付けビニール袋で覆い、根が出てから枝を切り取ります。

移植や植え替え

アセビの移植は、6月から7月上旬までか、秋は9月までに済ませます。

アセビの入手方法

アセビ馬酔木

値段

アセビのポット苗は1,000円程度から入手が可能です。

販売先

アセビを植えることができる地域であれば、近くのホームセンターや園芸店で手に入るでしょう。

鉢植え

アセビは小型の庭木のため、鉢植えにも向いています。寒冷地で屋外で育てることが難しい地域や、庭が広くない場合は、鉢植えで楽しみましょう。

苗木

アセビの苗木を購入したら、3~4月か、または9月~10月に植え付けます。しかし、丈夫な木のため、根を丁寧に扱えばいつでも植え付けが可能です。

盆栽

アセビを挿し木で増やしたものを、盆栽仕立てで楽しむことができます。花が垂れ下がる様子が美しく、自然樹形を活かした盆栽に仕立てるとよいでしょう。

アセビのQ&A

アセビの育て方について。

アセビの育て方について。アセビを素焼き鉢に植えてますが、根が張らないので困ってます。アセビを育てて2年になります。日当たりのいい所で育てています。根が張らないので大丈夫かと心配しています。
アセビの育て方について。の詳細

アセビがネキリムシにやられました。 ぐらぐら・・・

アセビがネキリムシにやられました。ぐらぐらするのでおかしいと思ったら、株がすっぽり抜け、根がほとんど無くなっていました。
アセビがネキリムシにやられました。 ぐらぐら・・・の詳細

アセビの木について

アセビの木についてアセビは葉、茎、花、樹皮に毒があるとのことですが、樹皮を剥いた木材の場合毒は含まれていますか?
アセビの木についての詳細

アセビが元気がない 30年前に植えた1m高のア・・・

30年前に植えた1m高のアセビですが、1年半前に苦土石灰500gを誤って散布したため、急速に弱りましたそれまでは、花をたくさん付け、葉も青々してました調べたらアセビは酸性土を好むということ知り3ヶ月前にあわてて上土を取り除き、硫安300gを散布しました現在、現状維持が精一杯で勢いが感じられません
アセビが元気がない 30年前に植えた1m高のア・・・の詳細

アセビの茎や葉、花には強い毒があるようです・・・

アセビの茎や葉、花には強い毒があるようですが、実にはあるのでしょうか?また、食べるとして気をつけないといけない事などあればお願いします。
アセビの茎や葉、花には強い毒があるようです・・・の詳細

まとめ

アセビは常緑性の庭木にしてはある程度の耐寒性もあり、日陰にも強くなっているので、植える場所を選ばないでしょう。成長もゆっくりで、剪定もあまり必要なく手入れがしやすいです。細い根が伸びるように軽い土にして、風通しをよくして植えてください。