庭木に選びたい常緑樹の低木17選
「狭い庭」「目隠しをしたい」このようなシーンでは、常緑樹の低木が向いています。広さがない庭では、庭木に高さを求めることはできません。庭木の中でも常緑低木の品種を17種類まとめてみました。庭木選びに役立ててみてください。
狭い庭に常緑樹の低木の庭木を選ぶ理由
日本の庭の多くはあまり広さが確保できないので、低木を選ぶと管理しやすくなります。狭い庭に常緑樹の低木の庭木を選ぶ理由をチェックしておきましょう。
低木の定義
木の高さは、「小低木」「低木」「小高木」「高木」「大高木」の5種類に分けられます。小低木とは樹高が1m以内になる木のことで、低木は樹高3m以下です。低木とは樹高1~3mの木のことです。
小高木は樹高3~5m、高木は5~20mです。大高木は20m以上の木のことで、庭木としては向いていません。
背丈が低いので圧迫感が少ない
狭い庭に低木を選ぶ理由は、圧迫感が少ないからです。昔から日本では狭い庭を有効利用するために、低木を活用してきました。小高木や高木になる木でも、剪定して小さく仕立てることが一般的です。
最近は高木になる木を使って雑木の庭をつくるナチュラルな作り方もありますが、高木になる木だと「隣り合った家に枯れ葉が落ちやすい」「暗くなりやすい」などのデメリットがあるので、あまり使われてきませんでした。
一方で低木なら、人の背丈かそれより少し高いくらいなので、圧迫感がありません。周りの家にも迷惑をかけづらく、適度な緑も感じることができるでしょう。
常緑樹なら適度な目隠し効果も
狭い庭には「常緑樹の低木」を選ぶ理由があります。常緑樹とは「針葉樹の常緑樹」または、「広葉樹の常緑樹」のことです。
針葉樹の常緑樹は、マツ・杉・ヒノキ・コニファーなどが含まれます。広葉樹の常緑樹は、ツバキ・ヤツデなどのことです。
常緑樹のよいところは、冬になっても葉が枯れず緑を楽しませてくれることです。落葉樹のように葉が落ちないので、冬になっても目隠し効果は変わりません。
おすすめの常緑樹の低木の庭木17選
狭い庭で「目隠し効果」と「手入れのしやすさ」、「圧迫感が少ない」樹木を選ぶなら、常緑低木を選ぶようにしましょう。おすすめの常緑樹の低木の庭木を17種類紹介します。
1・シャクナゲ
シャクナゲはツツジ科の植物で、花色が豊富なのが魅力です。シャクナゲの中でも人気があるのがカルミアで、ラッパ状の花が枝先に多数つきます。
シャクナゲは葉が肉厚で光沢があるので、花が咲き終わった様子も魅力的です。ツツジのような花が特徴的で、暖地で育てたい方におすすめします。
2・アセビ
耐寒性や耐陰性がある強い性質の木を選びたいなら、アセビが選択肢に入ります。アセビもツツジ科の植物で、スズランのような白い花が多数つくのが特徴です。
アセビは品種によって斑入りの葉のものもあるので、花が咲き終わった時期にカラーリーフとしても楽しめるでしょう。アセビは香りがよく、強剪定も可能なので低く仕立てたり、生垣にしたりすることもできます。
3・シャリンバイ
シャリンバイは放任しても車輪のように育つことから、剪定が苦手な方におすすめです。花は梅の花に似ているので、素朴な雰囲気が楽しめるでしょう。
シャリンバイの葉は肉厚で光沢があるので、花がない時期も魅力的です。実はまるでブルーベリーのような実がなります。実を食べることはできますが、美味しくはありません。
4・ヒイラギナンテン
日陰でも問題なく育てられる庭木を選びたいなら、ヒイラギナンテンがおすすめです。縁起の良い木としても知られている品種で、鬼門に植えて悪いものの侵入を拒みましょう。日陰の生垣にもおすすめの品種です。
春に黄色の可愛らしい花が咲き、葉はとげがあり秋には紅葉します。常緑樹のため寒い時期に葉が落ちず、長く紅葉を楽しむことができるでしょう。
5・ブラシノキ
ブラシノキはまるで瓶を洗うブラシのような花が咲く、ユニークな庭木です。赤いフサフサの花が特徴的で、庭木として植えるとインパクトがあります。もともとはオーストラリアの木なので、外国風の庭をつくりたい方におすすめです。
ブラシノキは高木になるものもありますが、ハナマキという品種は背丈が低く庭木に使いやすいでしょう。ブラシノキは耐寒性がないので、東京より北の地域で庭植えできます。
6・アベリア
耐寒性がある常緑樹は少ないのですが、アベリアは-10度まで耐えるので、寒冷地でも栽培ができます。ただし、寒い地域で育てると半常緑低木となり葉が多少落ちます。
アベリアの花はラッパ型の淡い色で、下向きに咲く様子が可憐です。秋になると紅葉も楽しめるので、四季を通して1年中楽しませてくれるでしょう。強く刈り込んで背丈を低く保つことができる庭木です。
7・イヌツゲ
生垣やトピアリーとして低木の庭木を選ぶなら、イヌツゲが向いています。日陰でも育つので、家の陰になる部分に植えることができます。イヌツゲは樹高が3~6mになりますが、強い刈り込みに耐えるので樹高を低くした管理もおすすめです。
イヌツゲは耐寒性も強いので、幅広い地域の庭で栽培ができます。イヌツゲの花は白くて小さいので目立たず、主に葉を楽しむための庭木です。
8・カナメモチ
カナメモチは赤い葉が魅力的の庭木で、強剪定も可能で生垣として人気です。カナメモチも樹高が3~9mとやや高くなりますが、芽吹く力が強く少々刈り込み過ぎても、すぐに葉が生えてきます。
カナメモチでよく用いられているのがレッドロビンです。新芽が赤くなるので、庭に彩を与えてくれるでしょう。寒さに弱いので暖地で育ててください。
9・キョウチクトウ
キョウチクトウは強い性質で育てやすく、街路樹にもよく用いられています。花は夏に開花する品種で、花色が豊富で選ぶ楽しみがあるでしょう。ただし実には毒があるので、小さな子どもがいる家庭には向いていません。
キョウチクトウは東京より南の地域で栽培が可能です。芽吹く力が強いので、好みの高さに刈り込んで育てることができます。
10・クチナシ
実を収穫できる実用性のある常緑低木を選びたいなら、クチナシがおすすめです。実は栗きんとんの色を付ける染料としても使うことができます。
クチナシは白い花が特徴で香りが高く、華やかさがあります。葉は肉厚で光沢があるので、花が咲かない時期も楽しませてくれるでしょう。クチナシは耐寒性がないので、関東以西で育ててください。
11・ヒサカキ
ヒサカキは葉が美しく、神事にも使う庭木として有名です。樹高が3~6m程度でやや高くなりますが、強く刈り込んで生垣にも仕立てることができます。日陰にも強いので家の陰になる部分にもおすすめです。
ヒサカキの実は鳥も好むので、野鳥の観察もできます。ただし、ヒサカキのニオイは独特で嫌な人もいるため、事前にチェックしておくようにしましょう。
12・フェイジョア
花と実の両方を楽しみたいなら、フェイジョアがおすすめです。フェイジョアは南アメリカ原産の庭木で、花はブラシノキのような赤いしべが特徴的です。
フェイジョアの魅力は、果物としても出回る実でしょう。甘くてよい香りがする実がなります。樹高は3m~ですが強剪定も可能で、生垣にも仕立てることができます。ただし強い刈り込みでは花つきがわるくなり、実がなりにくくなります。
13・ツバキ
ツバキは日本で代表的な花木です。樹高が1~6m程度で背丈が低いので、花を楽しむのにちょうどよいでしょう。ツバキは花色が豊富で、葉は艶やかです。
秋になる実はツバキ油としても活用することができます。ツバキは多数の品種が誕生しているので、庭の広さに合わせて品種を選びましょう。ツバキは成長がゆっくりで長生きなので、長く緑や花を楽しませてくれます。
14・ナンテン
ナンテンは赤い実が特徴的で、縁起のよい木として扱われてきました。赤くなる紅葉も見事で、秋になっても緑を楽しませてくれます。半日陰でも育つので、家の陰になる場所でも栽培が可能です。
ナンテンは実がなってからドライフラワーに加工して楽しむことができます。強剪定も可能で、生垣にもおすすめです。栽培地は東北地方くらいまでで、幅広い地域で育てるのに向いています。
15・ピラカンサ
ナンテン同様に赤い実が楽しめるのが、ピラカンサです。春には白い花が密集して楽しめて、秋になればまとまった赤い実が魅力でしょう。樹高が低く強剪定も可能で、生垣にも仕立てることができます。
ピラカンサは毒性があるので人が食べることはできませんが、野鳥は好んで食べてくれます。赤い実の姿からナンテンと迷う方もいるかもしれません。ピラカンサはとげが出るので、生垣にも使いやすい品種です。
16・マンリョウ
マンリョウも赤い実が特徴的で、垂れ下がった実が可愛らしいです。もともと山の下草として生えているもののため、日陰でも栽培できます。植物が植えられない場所で育ててみましょう。
マンリョウは縁起ものの木としても知られています。赤い実がなったらドライフラワーとして加工してみましょう。苔玉の材料としても人気で、赤い実が緑によく映えます。
17・オウバイ
オウバイは春に咲く黄色い花が特徴的です。病害虫にも強いので、庭木初心者でも管理しやすいでしょう。黄色花は可愛らしい印象で、洋風庭園にもよく合います。
オウバイはやや耐寒性がある植物で、東北以南で栽培が可能です。剪定も楽なので、庭の管理が余りできない方にも向いています。斜面に垂らして長く伸ばす方法もあります。
まとめ
狭い庭に庭木を選ぶなら、常緑低木を選んでみましょう。常緑性の庭木は葉が肉厚なものや、秋になって紅葉するものもあります。1年中緑を楽しませてくれるので、生垣や目隠しとして利用してみましょう。常緑低木を選ぶなら花の好みで選ぶのもおすすめです。