ハナミズキの育て方

ハナミズキ

ハナミズキは丸い花の見た目が可愛らしく、女性にも人気のある庭木です。色はピンクと白の2種類で、剪定もとくに必要ないので初心者でも育てやすいでしょう。挿し木や接ぎ木としても増やすことができます。

ハナミズキの特徴

【別名】アメリカヤマボウシ
【科/属】ミズキ科ミズキ属
【樹高】4~10m
【種類】落葉低木
【樹形】1本立ち、株立ち
【花期】4月下旬~5月中旬
【花色】白、赤、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭木、街路樹、公園樹
【耐陰性】なし
耐寒性】強い
【名前の由来】花の美しいミズキという意味。

ハナミズキはアメリカに自生する木です。日本にハナミズキが渡ってきたのは、大正4年にアメリカに桜の木を贈った返礼に届けられたのが始まりとなっています。

日本のヤマボウシとは同じ種類であることから、「アメリカヤマボウシ」という名称が付けられました。現在はハナミズキという通称のほうが一般的に使われています。

アメリカでは「ドッグウッド」と呼ばれています。ハナミズキの皮を煎じて犬のノミ退治に用いられたためです。

ハナミズキ
ハナミズキの花は、4月下旬~5月中旬ころに咲きます。ピンク色で花びらのように見えるのは「庖(ほう)」です。本当の花びらは中心部分にあります。

ハナミズキ
ハナミズキの葉は卵型で、不規則な形でやや波打っています。葉の裏側には毛が生えているのが特徴です。

ハナミズキ
ハナミズキは赤い実を付けます。人が食べても苦くて美味しくありませんが、小鳥がきて実をついばむ姿が見られることもあります。

紅葉

ハナミズキ
ハナミズキは花の美しさだけでなく、真っ赤に染まる紅葉でも人気です。紅葉は春と秋の年2回楽しむことができます。

樹高

ハナミズキの樹高は4~10m程度です。成長が遅い品種を選べば、庭木としても楽しみやすいでしょう。

種類

ハナミズキ
ハナミズキは白とピンクの花の2種類があります。昭和の時代から沢山の品種が生まれていっため、多数の品種から選ぶことができる庭木です。

チェロキー・チーフ

ピンク色のハナミズキとして一般的な品種です。成長が遅い品種のため、あまり大きくしたくない庭に適しているでしょう。苗木のときは花が付かないこともあります。

チェロキー・プリンセス

チェロキー・チーフの白い花の種類です。同じように成長が遅いので、大きくなり過ぎないようにしたい家庭におすすめします。花が大きく花付きがよい品種です。

レインボー

葉に斑が入っている品種です。春には白斑に赤が混じり、次第に緑色が混じって、秋になると緑色が紫に変わっていきます。成長が遅い品種で、花色は白です。

ファースト・レディ

葉に黄色の斑が入っている品種です。紅葉はしないので、春から秋にかけて葉や花を楽しみたい方におすすめします。花色は白です。

ジュニアミス

狭い庭に向く品種です。花はピンク色で中心が白色をしています。寒い地方でよく紅葉しますが、温かい地方では紅葉しないことがあります。

クラウド・ナイン

15cm程度の大きな白い花を付ける品種です。狭い庭でも育てやすいでしょう。

成長速度

一般的に成長速度は遅いです。庭木として大きくしたくない場合は、さらに成長が遅い品種を選びましょう。

ハナミズキの基礎知識

ハナミズキ

ハナミズキの花言葉

ハナミズキの花言葉は、「返礼」「永続性」「私の想いを受けてください」です。

庭木としても人気がある

ハナミズキは枝が横に広がる性質があるので、狭い庭では不向きだと考えられてきました。しかし、最近の品種では狭い庭でも植えられるハナミズキが出ています。

シンボルツリーにおすすめ

花は美しく秋の紅葉も楽しめる品種で、シンボルツリーとしても人気があります。日本では公園や街路樹で使用されるケースもあります。

ハナミズキは枝が横に広がりやすいので、1本を植えるだけでも見栄えがします。

ハナミズキとヤマボウシの違いとは?

ヤマボウシ
写真はヤマボウシ

ハナミズキとヤマボウシは同じ品種です。しかし、花を見るとその違いがわかりやすいでしょう。

ハナミズキの花は先端が丸く可愛らしい印象なのに対し、ヤマボウシは先端がとがっていてシンプルです。実を食べたいならヤマボウシを選びましょう。種が多く食べにくいのですが、南国フルーツのような味がします。

ハナミズキは耐寒性がある?

ハナミズキは耐寒性があります。寒さにも強く寒冷地で庭植えが可能です。雪が積もる地域では、苗木のころに雪の重みで枝が折れないよう管理しましょう。

ハナミズキの育て方

ハナミズキ
ハナミズキは西日が当たらない水はけのよい場所を好みます。日当たりのよい場所に植えると、秋の紅葉が美しく見えやすいでしょう。半日陰でも育てることができます。

砂地のような乾燥した場所に植えるのは避けてください。

剪定

ハナミズキはそのままでも枝が整然としています。そのため、放任して育てても樹形が整い、多くを剪定する必要がありません。

剪定が必要な場合は弱っている枝を7月ごろに取り除き、秋の剪定は木の姿を整える程度に留めましょう。秋以外の剪定は切り口から樹液が大量に出やすいので避けるようにします。

花芽は8月ごろから見られるようになり、秋になれば三角形の花芽が確認できます。剪定する場合は来年花が咲くように、花芽を残すようにしましょう。

害虫や病気

ハナミズキはうどんこ病になりやすいです。木が弱くなり秋の紅葉の色にも乱れが出てきます。害虫はアメリカシロヒトリや、コウモリガなどに注意しましょう。

肥料

肥料は毎年2~3月ごろに、油粕や大粒の化成肥料を与えます。

挿し木、接ぎ木

ハナミズキは、挿し木や接ぎ木で増やすことができます。秋にできた実を使って増やすことも可能です。実生の場合は白花が多いです。

移植や植え替え

ハナミズキを植えるのに適しているのは3月~4月です。冬の乾いた風には弱いので、3月ごろまで待ってから植えるようにしましょう。

庭木として植えたハナミズキは、大きくなり過ぎないころなら植え替えができます。彫り上げるときは多少根を切ってもよく、植え付けは苗木の植え付けと同様です。

水やり

ハナミズキはたくさんの水を必要とします。植え付けたときは腐葉土、ピート、堆肥などを混ぜて保水性を持たせましょう。直後に水をたっぷり与えてください。

植えてから2~3年までは、夏や冬など乾燥する場合は、夕方にたっぷりの水を与えます。冬は根元に落ち葉を敷き詰めると、乾燥から防ぐことができるでしょう。

ハナミズキの入手方法

ハナミズキ

値段

庭木として植えられる苗木は、数千円~1万円程度で売られています。

販売先

庭木を扱うホームセンターや、園芸店などで入手しましょう。

苗木

ハナミズキは苗木から植えても、庭木として育ちます。芽の動きが遅いタイプなので、植え付けてから芽が出なくても、6~7月まで待ちましょう。たまに芽が出ないと枯れたと思って勘違いすることがあります。

鉢植え

大きな庭がない場合は、苗木を手に入れて鉢植えで育てましょう。大きめの鉢に植え替えると、玄関先や家庭内でもハナミズキを楽しむことができます。

寄せ植え

ハナミズキは白やピンク色の花が可愛らしく、花との相性もよくなっています。花の開花時期は4月下旬~5月中旬までなので、春の花と組み合わせるのがおすすめです。

盆栽

ハナミズキを小さく育てたい場合は、盆栽として入手する方法もあります。園芸店などではあまり見かけることがありませんが、楽天市場などのネットショップで入手が可能です。

盆栽はコンパクトサイズでも花と紅葉の両方が楽しめるので、プレゼントとしてもおすすめです。

ハナミズキのQ&A

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まとめ

ハナミズキは花が可愛らしく秋の紅葉の美しいので、シンボルツリーとしておすすめです。庭木として植える場合は横に広がりにくく、成長が遅い品種を選びましょう。

ハナミズキは1本植えるだけで庭が華やかになります。剪定もあまり必要がない庭木で、お手入れが楽なため初心者にもおすすめです。