ヒノキ、ヒバ、サワラの育て方
ヒノキはかなりの高木になるので、一般的な庭には向いていません。しかし、剪定をしながら低く抑えることは可能です。同じヒノキの仲間にはチャボヒバやサワラ、洋風のコニファーなどもあります。それぞれ大体特徴や育て方が同じなので、チェックしてみましょう。
ヒノキの特徴
【科/属】ヒノキ科ヒノキ属
【樹高】30~40m
【種類】常緑高木
【花期】4月
【花色】茶色
【葉形】針形
【使い方】庭木、生垣、生花材料
【耐陰性】ややある
【耐寒性】強い
【名前の由来】「火の木」から、古代にヒノキをこすって発火させた。
ヒノキ科の植物であるヒノキとサワラは、木材として広く用いられてきました。園芸ではヒノキやサワラのことを「ヒバ」と呼んでいます。
ヒノキは、福島以南の山地に広く分布する、常緑高木です。高さが30~40mとかなりの高木となるため、庭木としては一般的ではないかもしれません。しかし、風当たりの強い岩上では樹高が低くなり、低く剪定も可能なため庭木としても植えることができます。
ヒノキ、サワラ、ヒバ類は、別名コニファーの名前でも親しまれています。コニファーは這うように広がるタイプから、葉色が美しく洋風庭園に向くタイプもあります。
花
ヒノキの花は、4月に花が咲きます。枝先に花がつくのが特徴です。雄花は長さ2~3mmの卵状で、雌花は径5mmの丸形をしています。ヒノキの花はとても小さく、目立ちません。
葉
ヒノキの葉は、鱗片葉です。細長い葉が枝からいくつも出るタイプで、葉の長さは1~3cmです。表面は濃緑色をしています。
実
ヒノキの実は、褐色をしているマツカサ形です。コニファーの中には、緑色の実がなる品種もあります。
樹高
ヒノキの樹高は、30~40cmとかなり高木になります。しかし、ヒノキやサワラは刈り込んで仕立てることができるので、庭の大きさに調節しやすいでしょう。
ヒノキのように樹高が高くなるのを避けたい場合は、コニファー類で成長が緩やかなものを選ぶと、スペースをとらず栽培が可能です。
種類
ヒノキの仲間には、園芸変種が幾つかあります。「チャボヒバ」は別名「カマクラヒバ」とも呼ばれる品種です。細い円柱型になるタイプですが、刈り込んで仕上げることも可能なため、庭木としてよく用いられています。
「クジャクヒバ」は樹高が3~5mで、狭い庭にも向きます。枝がクジャクの尾のように左右に開くことから、このような名前が付けられています。葉が黄金色になるものは、「オオゴンクジャクヒバ」といいます。
「スイリュウヒバ」は別名、「イトヒバ」とも呼ばれています。枝が長くて垂れるのが特徴です。
「ヒヨクヒバ」はサワラの園芸品種です。樹高3mくらいで、庭植えしやすいでしょう。別名「イトヒバ」ともいいますが、スイリュウヒバよりもサワラの園芸品種のほうが、よく庭植えされています。
ほかにもコニファーとしてよく用いられているのが、葉が黄金色になる「ヨーロッパゴールド」、まっすぐ伸びる「スカイロケット」、矮性の「マザーローデ」や「フィリフェラオーレア」などがあります。細かいシルバーブルーが特徴の「ピラミダリス」も葉が美しいです。
ヒノキの基礎知識
ヒノキの花言葉は?
ヒノキの花言葉は、「不滅」「不老」「不死」などです。
ヒノキとスギの違いとは?
写真はスギの葉
スギは「マツ目スギ科スギ属」なのに対し、ヒノキは「ヒノキ科ヒノキ属」で品種が違います。スギとヒノキの違いを知りたかったら、葉を見れば一目瞭然です。
スギの葉は、細い葉が複数つき棒状なのに対し、ヒノキは手のひらのように細い葉が広がっています。ヒノキの葉はコニファー類とも似ています。
ヒノキの寿命とは?
ヒノキの寿命は、1000年以上だといわれています。2000年や3000年も生き続けることができると考えられているので、庭木として植えると1世代は軽く寿命が超えるでしょう。
ヒノキの育て方
ヒノキは根張りが浅いので、やや湿気のある場所に植え付けましょう。やせ地や乾燥する土地では育ちが悪くなります。
ヒノキはやや半日陰を好む性質がありますが、ヒヨクヒバは日の当たる場所を好みます。コニファー類は寒さに強い品種が多いです。
剪定
ヒノキは、樹形を整える程度の剪定で育ててもまとまります。剪定が必要な時は、9月か11月におこなうようにしましょう。
チャボヒバやコニファー類は、ハサミで切りとると切り口が茶色に変わります。そのため、色を変えないために、手で葉を摘み取るようにします。ヒバ類は緑色の枝からしか芽を吹かないので、適切に管理するようにしましょう。
サワラは横長に刈り込んで、チャボヒバは長細く仕立てることができます。ヒノキは玉づくりにして仕上げるのもよいでしょう。
害虫や病気
ヒノキは、近くに梨の木・カイドウ・ヒメリンゴが植えられていると、サビ病が出やすいです。近くにこれらの樹木を植えなければならない場合は、3月上旬~10日おきに3回薬剤をまいてください。
コニファー類は、乾燥するとハダニが発生します。ローソンヒノキは、樹脂胴枯病がでることがあります。どちらも早期発見で対処しましょう。
肥料
ヒノキの肥料は、2月に与えるようにします。肥料は、鶏ふん、油粕、化成肥料などです。ヒバ類は、リン酸、カリ分を与えるため、鶏ふんと化成肥料を与えましょう。
増やし方
ヒノキは、挿し木で増やすことができます。緑色をしている枝を4月に採取して、土にさして増やしましょう。ヒノキの成長は遅く、シノブヒバがこの中で成長が速いです。
移植や植え替え
ヒノキの植え替えは、3月~4月におこなうことができます。大木になったものは、半年~1年前に根回しをしておくと、失敗が少ないです。
チャボヒバは大木の移植ができないので、植え付ける場所に注意しましょう。
ヒノキの入手方法
値段
ヒノキのポット苗は、1,000円台でも売られています。
販売先
ヒノキは耐寒性が強く幅広い地域で栽培が可能ですが、高木となるので売られている場所は限られています。近くのホームセンターや園芸店で見かけない場合は、ネットショップを活用すると入手が可能です。
コニファー類は寒い地方で植えることが多いので、寒冷地のホームセンターや園芸店で入手できます。日本で手に入りにくいコニファーは、同じくネットショップの活用がおすすめです。
苗木
ヒノキの苗木を入手したら、2月~5月または9月~11月に植え付けます。
盆栽
ヒノキは高木となるので、狭い庭の家庭や、庭がない場合は、盆栽として育てましょう。ヒノキの独特の香りで虫がつきにくく、丈夫で育てやすいです。強い日差しを避けるようにしながら、適度に日が当たる場所で管理します。
ヒノキのQ&A
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これ以上高くしたくないので頭を切ろうと思いますが、これで高さは6mのままになりますか?それとも脇からまた上に伸びますか?
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自分は盆栽初心者なのでこれから頑張って勉強して行こうと思いますが、ヒノキを育てていく上で、こうした方がいいとか、他の木はこうだけど、ヒノキはやっちゃダメとか、そういうのがあれば教えて欲しいです。
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例えば直径30センチくらいのものだと何センチほど上に伸びるのでしょうか?
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実家で樹齢100年程度の檜の木があり、その根が石垣を干渉しているようなので伐採を考えております。役場の林業科の方には、伐採してみないとわからないが建築材としての時期が過ぎていると思うと言われ、建築材以外の使い道を探しております。
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●虫(特に毛虫、イモムシ)がつきにくい●成長が遅く、それほど大きくならない●それほど横にのびない上記を満たすコニファーはありますか?
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まとめ
ヒノキは日本人になじみの深い木ですが、かなり高木になるので背丈を抑えるための工夫が必要です。刈り込んで低く抑えるなど対策をしながら、庭植えしましょう。ヒノキは何代にもわたって受け継ぐことができるので、広い庭の家庭におすすめです。