コブシの育て方

コブシ

コブシは日本に自生する落葉高木です。春に咲く白い花や、秋の紅葉が楽しめます。芳香もある木で管理が楽なため、街路樹としても使われています。高木となる品種のため、庭木として育てる場合の育て方や、特徴をチェックしておきましょう。

コブシの特徴

【別名】コブシハジカミ
【科/属】モクレン科モクレン属
【樹高】10~18m
【種類】落葉高木
【樹形】1本立ち
【花期】3月
【花色】白、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭木、街路樹
【耐陰性】なし
耐寒性】強い
【名前の由来】果実がコブ状になり、種が子で「コブシ」となったという説がある。

コブシは、日本と済州島に自生する、落葉高木です。耐寒性のある樹木で、雪が降る地域では人々の生活に関わりが深い木として知られています。10m以上の高木となるため、庭木として植える場合は、樹高が低い品種を選びましょう。

コブシ
コブシの花は、6月に開花します。葉が出るよりも早く、花が咲くのが特徴です。花は枝を覆うように開花するので、見ごたえがあります。

コブシ
コブシの葉は、先がとがった卵形をしています。葉の長さは6~13cmで、幅は3~6cmです。

紅葉

コブシは秋になると葉が黄色になり紅葉します。春先の白い花から、秋の紅葉まで四季を感じさせてくれるでしょう。

コブシ
コブシの実は、コブ状の突起があります。細長い形の果実が秋になり、熟すと裂けて中から赤い種が出てきます。実はコブ状に繋がる果実です。

樹高

コブシの樹高は、10~18mと高木です。高い木が植えられない庭では、背丈の小さい品種を選びましょう。ジデコブシ、ベニコブシ、タムシバ、ワダスメモリー、キミツヒメなどが狭い庭に向いています。

種類

コブシ
「ワダスメモリー」は、近縁種との交配で誕生しました。世界的にも知られている品種です。

「キミツヒメ」は、極小輪コブシで、白色の花が特徴です。「ヤエベニバナコブシ」は、花つきがよい品種で、明るいピンク色の花を咲かせます。

コブシの基礎知識

コブシ

コブシの花言葉は?

コブシの花言葉は、「友情」「歓迎」「信頼」「自然の愛」などです。

街路樹に使われるコブシ

コブシ
コブシは街路樹として使われることがあります。たとえば、仙台市にある「泉パークタウン」で街路樹として採用されているようです。ほかにも名古屋市市政資料館近くの道路にもコブシは街路樹として植えられています。

コブシはどんな香り?

コブシは良い香りがする花木です。花だけでなく枝からもフルーティな香りがします。柑橘系の爽やかな香りがするので、春らしい香りを楽しむことができるでしょう。

コブシとモクレンの違いは?

モクレン
写真はモクレン
モクレンは「モクレン科モクレン属」で、コブシも「モクレン科モクレン属」です。そのため花や木の姿もよく似ています。

モクレンとはモクレン科の仲間の総称として使われていますが、一般的にモクレンは中国原産のものを示します。一方でコブシは日本原産の品種です。

モクレンとコブシの大きな違いは、花の見た目です。本来モクレンは紫色の花が咲く品種で、コブシは花が白色またはピンクです。モクレンの花びらは9枚すぼんだ形で上に向かって咲き、コブシの花びらは6枚で開いています。

コブシの育て方

コブシ
コブシは日当たりのよい場所を好みます。日陰に植えると花つきが悪いです。コブシは暑さや寒さにも強いので、北海道から九州まで地植えすることができます。

剪定

コブシの剪定は、1月~2月におこないましょう。長い枝には花芽がつかないので、4~5芽残して切り詰めます。すると基部の芽が短枝となり、翌年花を咲かせるでしょう。

細かい枝を切りとる場合は、付け根から切りとるようにします。枝を切りとった部分は、保護剤を塗っておきましょう。

害虫や病気

コブシは、特に病害虫は発生しません。

肥料

コブシ
コブシは樹勢が強い木なので、肥料を与える必要はありません。

増やし方

コブシは種まきで増やすことができます。秋に熟した実から種を採取して、土にまいて増やしましょう。

移植や植え替え

コブシは移植が難しい木なので、植え付け場所に注意が必要です。

コブシの入手方法

コブシ

値段

コブシのポット苗は、数百円程度から売られています。

販売先

コブシは北海道から九州まで幅広い地域に自生しているので、広い地域のホームセンターや園芸店で入手できるでしょう。背丈の低い特定の品種が手に入りにくい場合は、ネットショップの活用がおすすめです。

苗木

コブシの苗木を入手したら、2月中旬~3月上旬までに植え付けます。移植が難しい木なので、植え付け時は根鉢を崩さないようにします。

コブシの苗木は1本立ちで売られているので、庭の広さに応じて芯をとめます。すると枝が左右から出てくるようになります。上に伸びた枝は、5~10芽残して切りとりましょう。コブシは枝が上に向かって伸びていきます。

盆栽

コブシは高木になるため、庭木として植えるのを諦めている家庭もあるでしょう。しかし、盆栽なら庭がない家庭でも育てることができます。

コブシの盆栽は、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。表面の土が乾いたら、たっぷりと水を与えてください。コブシを庭木で育てる場合は肥料は要りませんが、盆栽として育てる場合は、固形肥料を与えます。

コブシのQ&A

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まとめ

コブシは日本原産の樹木のため、日本の気候に合っていて育てやすいでしょう。病害虫も特に発生せず、剪定も長い枝を切りとる程度です。高木になるのがデメリットのため、狭い庭で育てやすい品種をチェックしておきましょう。