ゲッケイジュの育て方

ゲッケイジュ

ゲッケイジュは香辛料のローリエでもお馴染みです。葉を収穫して食用にも、リースとして楽しむこともできます。苗木や盆栽として入手することもできるので、庭木でシンボルツリーとして楽しんでみましょう。ゲッケイジュの育て方や特徴を紹介します。

ゲッケイジュの特徴

【別名】ローレル
【科/属】クスノキ科ゲッケイジュ属
【樹高】10~20m
【種類】常緑高木
【花期】4中旬~5月中旬
【花色】黄色
【葉形】卵形、舟形
【使い方】庭木、生垣、記念樹、香辛料
耐陰性】ある
【耐寒性】なし
【名前の由来】中国名の月桂樹を和音読みにしたもの。

ゲッケイジュは、地中海地方原産の常緑高木です。日本では関東地方以南でよく栽培されています。樹高は10~20mにまで育つため、小さく仕立てる必要があります。

ギリシャの時代では、ゲッケイジュの枝で輪をつくり、冠として使っていました。そのことからオリンピックのマラソン勝者に贈られることでも知られています。

ゲッケイジュ
ゲッケイジュの花は、まとまってつく黄色の小花が特徴です。枝先に複数の花が密集しています。ゲッケイジュは雄雌異株のため、授粉させるには雄雌両方の株が必要です。しかし、国内では雌株が出回ることは少なくなっています。開花時期は4月中旬~5月中旬までです。

ゲッケイジュ
ゲッケイジュの葉は、先がとがった卵形か舟形です。長さ5~12cmの大型で、葉が硬く表面には光沢があります。常緑樹のため、冬でも緑を楽しませてくれます。

ゲッケイジュ
ゲッケイジュの実は、長さ1cm前後の丸形です。実は10月ごろになります。未熟な実は緑ですが、熟すと黒紫色に変わります。実を付けたい場合は雌株を選びましょう。

樹高

ゲッケイジュ樹高は、10~20mで高木です。日本の庭でこれだけ高い木を植えることは難しいので、短く仕立てる必要があるでしょう。幸い刈り込みには強い木なので、コンパクトに仕立てることもできます。

種類

ゲッケイジュ
ゲッケイジュは、斑入りとなる「バリエガータ」や、葉が黄色くなる「オーレア」、細い葉が特徴の「アングスティフォリア」などがあります。

成長速度

ゲッケイジュの成長速度はやや速いです。高木になるので、毎年剪定してコンパクトに仕立てましょう。

ゲッケイジュの基礎知識

ゲッケイジュ

ゲッケイジュの花言葉は?

ゲッケイジュの花言葉は、「勝利」「名誉」「栄光」などです。

シンボルツリーになるゲッケイジュ

ゲッケイジュは一年中緑を付けるため、庭のシンボルツリーとしても向いています。自然と樹形が整うので、玄関先に植えても管理が楽でしょう。また、狭い庭では鉢植えにして玄関先に置いておくこともできます。

ゲッケイジュで目隠しをする

ゲッケイジュは生垣としても使える樹木で、常緑のためよい目隠しになります。または、鉢植えとして楽しんで、適度な目隠しとしても使うことができます。スタンダード仕立てに仕上げれば、視界を遮り過ぎることがなく適度な目隠しになるでしょう。

ゲッケイジュの雄雌の見分け方とは?

出回っているゲッケイジュの多くは雄株なので、実を付けたい場合は雌株を選んでください。雄雌の表示がない株で比較する場合は、花で雄雌株の区別をしましょう。

雄株なら花に雄しべが十数本あります。雌株なら花の中心に太い雌しべがあるので区別できます。

ゲッケイジュは北海道で育つ?

ゲッケイジュ
ゲッケイジュの越冬は東北地方までです。しかし、花屋さんのブログで、北海道でも屋外で越冬させるコツが掲載されていました。

日なたに植える。そして、秋に、短めに切り詰めてしまうのだそうです。雪の中に木がすっぽりと埋まってしまうようにした方が良いみたいと、教えてくれました。「切らないでおくと、外気にさらされている部分は枯れちゃうから・・・」だそうです^^
出典:https://ameblo.jp/fs-ishizaka-taiheiten/entry-11299769885.html

北海道では雪が積もるので、雪を使ってゲッケイジュを保温してやるようです。雪に囲われないと氷点下10度以上になりますが、雪で覆うことで一定の温度が保たれます。

ゲッケイジュの保存方法

ゲッケイジュ
ゲッケイジュを剪定したときに出た葉は、乾燥させて香辛料のローリエにして保存しておきましょう。ローリエは料理の香り付けとして使うもので、緑が濃い葉を選ぶとよい香りがします。長期間保存すると香りが飛ぶので、使いきれる量を保存しましょう。

収穫したゲッケイジュの葉を軽く湯引きします。水気をよく拭いて、ザルなどにあげて陰干ししましょう。乾燥する期間は、2~3週間が目安です。干す場所は雨露が当たらない場所を選んでください。

乾燥したローリエは、密閉容器に入れて保存します。室内の湿気に触れるのは避けたいので、空気が入らない密閉容器に入れてください。

魔除けに使われていたゲッケイジュ

かつてゲッケイジュの葉は魔除けに使われていました。今でも玄関に植えると住人が病気をしない、室内に吊るすと霊を抑えるなどといわれています。

ゲッケイジュは毒があるのか?

ゲッケイジュは毒性があるともいわれていますが、実際に毒性があるか明確な情報は見つかりませんでした。ローリエを香辛料として使う量は少ないので、食用にしても問題ないと思われます。

ゲッケイジュのドライフラワーの作り方

ゲッケイジュ
ゲッケイジュは葉と花を使ってドライフラワーとして楽しめます。枝を剪定したときに、花と一緒に陰干ししましょう。乾燥したゲッケイジュの枝は、そのまま丸く仕立ててリースにすることもできます。

ゲッケイジュの育て方

ゲッケイジュ
ゲッケイジュは、寒さにやや弱いので、秋田や宮城以南で庭植えが可能です。土質は選ばないが、乾燥する場所ややせ地は避けましょう。とくに冬の乾燥した風を嫌うので、風が当たらない場所に植え付けてください。日当たりでも日陰でもどちらでも育ちます。

剪定

ゲッケイジュは、ひこばえがよくでるので、早めに剪定しておきます。放任して育てても樹形は整いますが、とび枝がよく出るので4月中旬か10月にとび枝の剪定が必要です。

また、ゲッケイジュは強い刈り込みにも耐えるので、庭の大きさに合わせて背丈を低くすることができます。生垣にすると美しく、庭を囲うのもおすすめです。

害虫や病気

ゲッケイジュは、うどんこ病に注意が必要です。カイガラムシによるスス病や、ハマキムシも発生することがあります。

肥料

ゲッケイジュの肥料は、2月に与えます。有機質肥料を寒肥として株の根元に与えましょう。鉢植えで育てている場合は、化成肥料を与えてください。

増やし方

ゲッケイジュは、株分けまたは挿し木で育てることができます。株分けは4月~5月の間におこない、挿し木は7月~8月が適期です。

移植や植え替え

ゲッケイジュは、大木になってからの移植は難しいです。そのため、植え付ける場所には十分注意しましょう。

ゲッケイジュの入手方法

ゲッケイジュ

値段

ゲッケイジュのポット苗は、数百円程度から売られています。庭木になる大型のものは、1万円程度で売られていることがあります。

販売先

ゲッケイジュは観葉植物としても出回っているので、幅広い地域で入手ができるでしょう。ホームセンターや園芸店で庭木のコーナーだけでなく、観葉植物コーナーものぞいてみてください。

苗木

ゲッケイジュの苗木を手に入れたら、10月~入梅までに植え付けます。乾燥を嫌うので腐葉土を入れて浅めに植え付けてください。

盆栽

ゲッケイジュは盆栽としても出回っています。乾燥に弱いので土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。冬は霜が当たらないように室内に取り込むと安心です。

ゲッケイジュのQ&A

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まとめ

ゲッケイジュは葉を香辛料としても使うことができて、庭木としても楽しむことができます。実用性が高い木なので、暖かい地方で庭植えにしてみましょう。寒い地域で庭植えにする場合は霜にさらさないよう注意してください。