クチナシの育て方
クチナシは温かい地域で育つ樹木です。実は染料や香辛料にも使えるので実用的でしょう。三大香木のひとつで、香りを楽しみたい庭木でもあります。クチナシの特徴や育て方を紹介します。
クチナシの特徴
クチナシは、静岡県以西に分布する常緑低木です。香りのよい白い花が特徴で、果実は食用にもすることができます。薬用や染料としての用途もある樹木です。
花
クチナシの花は、純白で香りがあります。開花時期は6月上旬~7月中旬までです。花は径5~6cmの大きさで、八重咲のものもあります。香りが強い木として、ほかにもジンチョウゲやキンモクセイもおすすめです。
葉
クチナシの葉は、先がとがった卵形です。長さ5~12cmくらいで、色は濃緑で光沢があります。
実
クチナシの実は、袋状の卵形です。11月~翌2月ごろに熟して、朱紅色になります。大きさは6~7cmくらいです。クチナシの実は染料や漢方として用いています。
樹高
クチナシの樹高は、2~3mです。庭木としても高くならないので、狭い庭でも扱いやすいでしょう。強剪定でコンパクトに仕立てることもできます。
種類
クチナシは、一重や八重咲など種類があります。「ヤエクチナシ」はアメリカで改良された大輪の八重咲種です。「ヒメクチナシ」は枝が地面を這うように伸びるタイプで、小型で狭い庭でも植えやすいでしょう。
ほかにも斑入りになる「フクリンクチナシ」、「コリンクチナシ」「コクチナシ」「マルバクチナシ」などの種類もあります。
成長速度
クチナシの成長速度は普通です。樹高も最大で3mなので、狭い庭でも大きくなりすぎません。じっくりと庭木を育てたい方におすすめです。
クチナシの基礎知識
クチナシの花言葉は?
クチナシの花言葉は、「私は幸せ者」「とても幸せです」「清潔」などです。
クチナシの色素の活用方法
クチナシは栗きんとんの色素成分としてよく用いられています。色素成分として、黄色だけでなく、赤、青の色も出すことができます。植物から作られる食品添加物のため、食品に配合されていても安全性が高いといえるでしょう。
クチナシの花の香りはどんな香り?
クチナシは、ジンチョウゲ、キンモクセイとともに三大香木のひとつに数えられています。香木は強い香りを付ける樹木のことです。春はジンチョウゲ、夏はクチナシ、秋はキンモクセイが花を咲かせて香りを楽しませてくれます。
クチナシの香りは、エキゾチックな香りがします。クチナシ香りは人気が高いのですが、花から天然の香料を取ることは難しいため、一般的には調合したものが使われています。庭にクチナシの木を植えれば、天然の香りを楽しむことができるでしょう。
香水にもなっているクチナシ
クチナシの香りを使った香水は、調合した人工のものを使っています。代表的な香水としては、クリスチャンディオールの「ピュアプワゾン」があります。トップはジャスミンで清楚な香りがして、ミドルはクチナシで優しい香りに変わる香水です。
天然のクチナシの香りを活用したいときは、100%クチナシから作られた精油の活用がおすすめです。エッセンシャルオイル「樹葉花」は、わずかしか取れないクチナシの花を使った精油です。
クチナシの冬越しの仕方とは?
クチナシは関東以西でなければ庭木で越冬できません。それ以外の地域では鉢植えで楽しみましょう。クチナシは寒い風が苦手なので、冬は風よけをしましょう。乾燥も苦手なので、土が乾いたらたっぷりと水やりしてください。
クチナシは北海道で育つ?
クチナシは北海道のような寒冷地では育てることができません。冬の外気温が氷点下になるところでは屋外で育てることは難しいでしょう。屋外が15度を下回らない所での栽培がおすすめです。北海道では室内でも冬になると気温が下がる部屋があるので、霜よけ対策をしてください。
クチナシは毒性があるの?
クチナシには「ゲニポロイド」と呼ばれる成分が含まれています。大量に摂取した場合は体に悪影響を与えますが、食品に色を付ける程度なら問題はありません。
クチナシが咲かないのはなぜ?
鉢植えで育てているクチナシの花が咲かない場合は、根詰まりを疑いましょう。クチナシは十分な水を必要とするので、根が詰まって水を吸い上げられなくなると蕾を付けません。また、根元に強い日差しが当たる場所や、暗い場所に鉢を置いても花つきがわるくなります。
クチナシの育て方
クチナシは、関東以西なら庭植えが可能です。関東以北では、鉢植えで育てて、冬になったら室内に取り込みましょう。日陰でもよく咲き花も咲くが、日当たりのよい場所のほうが、株がしまって花つきがよくなります。土質は拘らないが、やや湿り気のある場所がおすすめです。
剪定
クチナシの剪定は、樹形を整えるためにおこないます。花が咲き終わったら剪定の適期です。クチナシの木は枝をたくさんつけるので、枝を2~3本残して後は早めに切り取ります。
花芽は、花が咲くころに伸びる新梢の頂部につきます。そのため、秋の剪定は花芽を取ってしまうので避けましょう。剪定箇所は途中で切り取らないで、枝分かれしたところの上で切り取ってください。
ヤエクチナシをスタンダード仕立てにする場合は、地上から1.2mのところまで下枝を取り払います。枝はその上のほうだけ出るよう仕立てて、伸びすぎた枝だけを丸く整えるように切り取りましょう。
害虫や病気
クチナシは、イモムシに似たオオスカシバの幼虫が付きます。オオスカシバの幼虫は一晩でクチナシの葉を食べつくしてしまうので、見つけ次第すぐに除去します。ほかにもカイガラムシが見られることがあります。
肥料
クチナシの肥料は、毎年6月に与えます。油粕と化成肥料を同量混ぜたものを施しましょう。鉢植えの場合は、4月と6月に肥料を与えてください。
増やし方
クチナシは、伸びすぎた枝を挿し木にして増やしましょう。土にさせば容易に増やすことができます。
移植や植え替え
クチナシを鉢植えしている場合は、4月に植え替えします。古土を1/3ほど落として植え付けてください。
クチナシの入手方法
値段
クチナシのポット苗は、数百円から入手可能です。八重咲になるクチナシ鉢植えは、2,000~3,000円くらいで売られています。
販売先
クチナシは寒さに弱いので、暖地のホームセンターや園芸店で探しましょう。八重咲のものが手に入りづらい場合は、ネットショップで探すと見つかります。
苗木
クチナシの苗木を入手したら、4月上旬~5月上旬まで、または8月下旬~10月までに植え付けます。土に肥料を混ぜて高めに植えたら、十分に水を与えます。
クチナシのQ&A
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クチナシの木の生垣を作ったらいい感じですか?高さはどれくらいですか?くさいですか?花が朽ちたら汚いですか?経験者の方お願いします
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クチナシの葉に写真の虫が付いて新芽を一晩で食べ尽くします。スミチオン乳剤を散布しますがあまり効きません。何という虫なのか?対処方法を何方か教えて下さい。
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クチナシの剪定について、来年の花を咲かせる・・・
クチナシの剪定について、来年の花を咲かせるために、花後速やかに枝を切りたいのですが、実も取りたいので切れません。このままだと来年は花を楽しめないのでしょうか?それとも上手い剪定方法があるのでしょうか?
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クチナシの葉が急に黄色くなってきました・・・
1月半ばに、小さなクチナシの盆栽の株を購入しました。買ったときは鉢に入っておらず、ガーゼのような布に包まれた状態だったので、ピッタリサイズの鉢も購入し、布を外して移し替えました。
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クチナシの挿し木、その後、、 クチナシの挿し・・・
クチナシの挿し木をし、1か月半ほど経ちました。あと半月くらいしたらポットから植え替えた方がいいみたいなのですが、地植えにする予定です。
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まとめ
クチナシは花も楽しめて、実は染料や香辛料としても使えます。樹高もあまり高くならず、生垣に仕立てるのもおすすめです。暖地で香りがよく、育てやすい樹木を選びたい方に、クチナシが向いているでしょう。