イチイ(オンコ)の育て方

イチイ

イチイといえば、北海道地方では「オンコ」で通っています。寒い地方の植物のため、暖地ではキャラボクを選びましょう。本来イチイは高木になりますが、庭木として植えるとそれほど高くならず管理しやすいです。イチイの特徴や育て方を紹介します。

イチイの特徴

【別名】アララギ、オンコ
【科/属】イチイ科イチイ属
【樹高】10~20m
【種類】常緑高木
【花期】3月下旬~4月下旬
【花色】黄土色
【葉形】針形
【使い方】庭木、盆栽、生垣
【耐陰性】ややある
耐寒性】強い
【名前の由来】「1位」の音読み、「正1位」の官位があることから。

イチイは、山地から亜高山帯に分布する、常緑高木です。歌では「アララギ」と呼ばれることが多く、園芸上では「オンコ」とも呼ばれています。オンコとはアイヌ語です。

イチイの木は生垣のように強剪定で樹高を抑えていることも多いため、高木になると知らない方もいるでしょう。成木になれば10~20mの高木になります。庭では刈り込んで好みの姿に整えるのが一般的です。

イチイの花は、3月下旬~4月下旬に開花します。花色は黄土色で、雄雌異種のためそれぞれ異なる花が咲きます。雄花よりも雌花の方が小さく、見つけるのが難しいです。

イチイ
イチイの葉は、長細くなる針形です。葉の長さは1.5cm~2.5cmあります。2本の葉が並んでつくのが特徴です。葉には厚みがありますが、柔らかいので触れても痛くありません。

イチイ
イチイの実は、9月上旬~10月下旬になります。秋を彩る真っ赤な実が特徴です。葉の濃い緑色に、赤い実がよく映えます。

イチイの実は食べることができます。ただし種には毒が含まれているので、吐き出すようにしましょう。

樹高

イチイの樹高は、10~20mの高木です。強い刈り込みも可能なので、背丈を低く保つこともできます。あまり高くなっては困る庭では、暖地でも育つイチイの仲間の「キャラボク」がおすすめです。

種類

イチイ
イチイの仲間には、変種の「キャラボク」があります。イチイは北海道や東北地方など寒冷地で栽培が可能な植物なのに対し、キャラボクは暖地でも栽培が可能です。

園芸種には、葉が黄金になる「オウゴンキャラ」があります。また、近縁種として「セイヨウイチイ」がありますが、樹高は7mほどで、イチイよりも葉が大きいのが特徴です。

イチイの基礎知識

イチイ

イチイの花言葉は?

イチイの花言葉は、「高尚」「哀しみ」「残念」などです。

生垣になるイチイの木

イチイは葉色が美しく、秋の実も楽しめるので、生垣として用いられています。ただし、成長が遅い木のため、綺麗に刈り込むにはある程度の年月が必要です。

イチイを生垣として植える場合は、30~80cmの間隔をあけて苗を植え付けます。好みの高さに成長したら剪定して仕上げましょう。

イチイの木が枯れる原因は?

イチイは寒冷地の植物のため、暖地で育てていると、葉がところどころ枯れてしまうことがあります。日当たりのよい場所でも育ちますが、暖地では夏の暑さに注意が必要です。

イチイの育て方

イチイ
イチイは耐寒性がある植物なので、北海道や東北地方で栽培が可能です。寒冷地で育つ常緑樹は少ないのですが、イチイは数少ない常緑樹になります。

植え付ける場所は、日の当たる場所でも半日陰でも育ちます。土質は選ばないが、やせ地は避けるようにしましょう。

キャラボクは肥沃な湿り気のある場所を好みます。夏の乾燥は苦手なので、植え付ける場所に注意が必要です。

剪定

イチイは芽が吹く力が強いので、刈り込むことができます。しかし、一度に強い刈り込みは避けて、弱い剪定を何度も繰り返したほうがいいです。

剪定に適した時期は、3月上旬~5月下旬、7月、10月中旬~11月下旬までです。枝を自由に曲げられるので、トピアリーに仕上げることもできるでしょう。

害虫や病気

イチイは、木が弱ってくると害虫が付きやすくなります。カイガラムシ、ハダニ、ヒバノキクイムシが付きやすいので注意しましょう。

肥料

イチイ
イチイの肥料は、2月上旬~3月下旬までに寒肥を与えます。寒肥料は乾燥牛ふんや堆肥です。9月上旬~10月下旬までは、窒素分の少ない肥料を与えましょう。秋は油粕や骨粉を混ぜ合わせたものが適しています。

増やし方

イチイは、実生で増やすことができます。秋に熟した実を収穫したら、果肉を取り除いて土に植え付けます。

移植や植え替え

イチイの根は荒いので、移植が困難です。一度植えたら移植が不要な場所に植え付けるようにしましょう。

イチイの入手方法

イチイ

値段

イチイのポット苗は、1,000円~売られています。生垣用に数十本まとめて売られているものは、数万円の値段です。

販売先

イチイは寒冷地の植物のため、販売されている地域が限られています。北海道や東北地方のホームセンター、または園芸店で探しましょう。

暖地の場合は、キャラボクを探してください。イチイもキャラボクも手に入りにくい場合は、ネットショップの活用がおすすめです。

苗木

イチイの苗木を入手したら、3月~5月までか、8月下旬~11月までに植え付けます。やや粘土質の場所に植え付けるといいでしょう。

イチイのQ&A

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まとめ

イチイは北海道では「オンコ」とも呼ばれています。耐寒性のある樹木のため、北海道や東北地方での栽培がおすすめです。キノコ型に刈り込むこともできて、枝を曲げることも可能で、トピアリーに仕立てるのもいいでしょう。