マンリョウの育て方
マンリョウは冬を彩る赤い実が特徴の樹木です。万両という呼び名から、縁起物の木としても扱われてきました。日陰を好む植物なので、植物が植えられない場所におすすめです。マンリョウの特徴や育て方を紹介します。
ンリョウの特徴
マンリョウは、関東地方以南に分布する、常緑低木です。昔から縁起の良い木として扱われてきました。そのため「千両も万両も有り通し」や「千両、万両、百両金」という語呂合わせもあります。
冬の樹木で縁起の良い木は5種類あります。千両とは「センリョウ科」の植物のことで、有り通しは「アカネ科」の植物、百両金はカラタチバナで「ヤブコウジ科」で、十両は藪柑子で「ヤブコウジ科」、万両はセンリョウで「ヤブコウジ科」の植物です。
花
マンリョウの花は、白い花がまとまってつきます。開花時期は6月中旬~7月上旬までです。花の大きさは径8mm程度になります。枝に10数個の小花がまとまってつき、花房をつくるのが特徴です。
マンリョウの花びらは5枚で、反りかえるように開きます。
葉
マンリョウの葉は、先がとがった舟形です。葉の長さは4~13cmで、幅は2~4cmくらいあります。硬く縁には並み状のギザギザがあり、表面には細い点があるのが特徴です。
実
マンリョウの実は、11月中旬~翌6月下旬まで長くなります。果実の大きさは径約5mm~1cmで、小さいです。丸形の実がまとまってつき、11月になると実が熟して赤くなります。
樹高
マンリョウの樹高は、1m以内で低いです。背丈が高くならない樹木のため、高くなる木の根元に植えるケースが多くなっています。狭い庭でも管理しやすいでしょう。
種類
マンリョウは、本州中南部や四国や九州に自生している樹木です。葉が斑入りになるものなど、複数の品種があります。
代表的なマンリョウの品種は、実が大きくなる「オオミマンリョウ」や、実が白くなる「シロミマンリョウ」、実が黄色くなる「キミノマンリョウ」です。
ヤブコウジ
ヤブコウジも同じ種類の樹木ですが、自生地が異なります。北海道から九州までの山地に広く自生します。正月用の飾りによく使われる品種で、多数の品種が生み出されました。
センリョウ
センリョウも同じ品種の樹木で、本柱の中部以西の山地に自生しています。マンリョウよりも実が上のほうにつくのが特徴です。センリョウには品種がほとんどありません。
マンリョウの基礎知識
マンリョウの花言葉は?
マンリョウの花言葉は、「寿ぎ」「金満家」「徳のある人」などです。
マンリョウの実は食べることができる?
マンリョウの実を食べることはできますが、人が食べても美味しくはありません。野鳥は食べるので、そのまま残しておきましょう。鳥に食べられなければ翌5月まで長く実を観賞することができます。
マンリョウの元気がないのは?
マンリョウは強い日差しを嫌うので、植え付け場所に注意が必要です。自生している場所も山地の木の陰になる場所なので、植え付ける場所は日陰を選んでください。
また、保湿性のある水はけのよい土地を好むので、乾燥する場所だと株が弱ってきます。堆肥や腐葉土を多めにすきこんで、土に保水性を持たせましょう。
マンリョウのドライフラワーの作り方
マンリョウは赤い実が魅力の植物で、ドライフラワーにするとそのままの状態を長く楽しめます。金運アップできるともいわれているので、縁起物として飾るのがおすすめです。マンリョウを枝ごと切り取り、葉を取り除いてから陰干しします。
マンリョウの苔玉の育て方
マンリョウは苔玉の栽培にも向いている品種です。用土は保湿性に優れている「ケト土」をベースに、ピートモスや赤玉土などを混ぜ合わせます。マンリョウの根に団子状に土を付けたら、苔を周りに貼り付け糸で固定したらできあがりです。
マンリョウの育て方
マンリョウは、日当たりを嫌う性質があるので、日陰で植えます。日が当たる場合でも、午前中に当たる程度の場所なら栽培が可能です。
水はけのよい場所を好み、極端に乾燥する場所は避けましょう。マンリョウは寒さには弱くなっているので、寒冷地で地植えすることはできません。寒い地域ではマンリョウではなく、ヤブコウジを選んでください。
剪定
マンリョウの剪定は、芽吹く力が弱いのでほとんど必要ありません。高くなりすぎた場合は、12月~2月に5cmくらい切り詰めましょう。側枝が出るとコンパクトに仕立てられます。
害虫や病気
マンリョウに病害虫はあまり発生しませんが、稀にアブラムシ、ハダニ、カイガラムシがつくことがあります。見つけ次第早めに駆除しましょう。
肥料
マンリョウやセンリョウの肥料は9月に油粕や化成肥料を与えて、ヤブコウジは3月上旬~4月中旬までに腐葉土を多めにすきこみます。肥料はリン酸やカリ分の多いものを選んでください。
増やし方
マンリョウは、種まきから増やすことができます。マンリョウやセンリョウは3~4月に実を収穫して、果肉をよく洗い流してから土にまきます。
ヤブコウジは3~4月または9月~10月に株分けで増やすことが可能です。
マンリョウを種から育てると、実がなるまで5~6年かかります。センリョウを株分けして増やした場合は、3~4年後に実がなるでしょう。
移植や植え替え
マンリョウやセンリョウは、4月下旬~5月下旬までに移植しましょう。ヤブコウジは3月上旬~4月下旬までに移植ができます。
しかし、連作を嫌うので、続けて同じ場所に植えることはできません。
マンリョウの入手方法
値段
マンリョウのポット苗は、1,000円以下で入手が可能です。
販売先
マンリョウが植えられる地域のホームセンターや園芸店で手に入ります。園芸品種は鉢植え用に植えられているので、それを購入して室内で管理するのもおすすめです。
斑入りなど特定の品種が手に入りにくい場合は、ネットショップで探すと見つかりやすくなります。
苗木
マンリョウの苗木を入手したら、3月中旬~5月中旬までに植え付けましょう。半日陰で腐植質に富む場所を好むので、堆肥か腐葉土を多めに混ぜ合わせます。
植え付けどきに、傷んでいる根以外は切らないでください。
寄せ植え
マンリョウは数十cm程度の樹木のため、寄せ植えにも使えます。庭木の根元に植え付けて、株本のボリュームを出しましょう。または大きめのプランターにマンリョウと花を寄せ植えすることもできます。
盆栽
マンリョウは日陰でも管理できるので、室内で育てる盆栽にもおすすめです。耐寒性がないため、冬は屋内に取り込んでください。湿り気のある土地を好むので、用土が乾いたらたっぷりと水を与えます。しかし、同時に水はけのよい場所を好むので、常に水が湿っている状態は避けましょう。
マンリョウのQ&A
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まとめ
マンリョウは秋~翌初夏まで赤い実を楽しむことができます。縁起物の木としても扱われているので、庭木として植えてみましょう。背丈が小さく狭い庭でも植えることができますが、苔玉や鉢植えでも栽培が可能です。そのため、幅広い園芸家の方におすすめします。