ジューンベリーの育て方

ジューンベリー

ジューンベリーは別名ザイフリボクともいいます。アメリカ原産の品種で、春の白い花が楽しめます。6月ごろにブルーベリーのような実が収穫できることから、ジューンベリーと呼ばれています。性質が強いので初心者向けですが、樹高が高くなるので植えるスペースを確認しましょう。

ジューンベリーの特徴

【別名】ザイフリボク
【科/属】バラ科ザイフリボク属
【樹高】8~12m
【種類】落葉小高木
【樹形】1本立ち、株立ち
【花期】4~5月
【花色】白
【葉形】卵形
【使い方】庭木、シンボルツリー、食用
【耐陰性】なし
耐寒性】強い
【名前の由来】ザイフリボクとは、花がまとまって咲く様子が、采配を振っているように見えることから。

ジューンベリーは、本州以南の山地に分布する、落葉小高木です。

品種名はザイフリボクですが、春に白い花を咲かせベリーのような実がなることから「ジューンベリー」の名で呼ばれることが多くなっています。または「アメリカザイフリボク」や和名の「シデザクラ」ともいいます。

繊細な花や食用に向く実の様子から、女性に人気の品種です。樹形の美しさから、シンボルツリーとしても植えられています。

ジューンベリー
ジューンベリーの花は、4月~5月に開花します。若葉が出るのと同時に、花が咲き始めます。花はとても小さいのですが、10花くらいがまとまって咲くので、開花時期は木一面が白い花で覆いつくされます。

ジューンベリーの花は、桜の花と同じくらいに咲きます。ジューンベリーの花は散りやすいので、ほんのひと時だけ花を楽しませてくれる品種です。

ジューンベリー
ジューンベリーの葉は、先がとがった卵形をしています。葉の長さは5cm~8cmです。若葉のころは白い綿毛が生えますが、次第に消えてしまいます。

紅葉

ジューンベリーは、秋になると葉が赤くなり紅葉も楽しむことができます。栽培地域によっては葉が黄色くなります。

ジューンベリー
ジューンベリーの実は、垂れ下がるようになります。実がなるのは6月で、熟すと赤から黒っぽく変化します。

ジューンベリーの実は食用にできるので生食はもちろん、果実酒、ジャムなどに加工して食べるとよいでしょう。見た目はブルーベリーの実に似ていますが、甘みは少なく種が多いので、生食だと食べにくいです。

ジューンベリーの実は鳥が好むので、収穫したい場合はネットをかけておきます。高木になって収穫しにくい場合は、下の実だけ収穫して、上は野鳥にゆずりましょう。

樹高

ジューンベリーの樹高は、8m~12mで高くなります。背丈を高くしたくない場合は、株立ちに仕立てて、1本の幹の成長を遅くしましょう。

ジューンベリーは苗木から育ててもぐんぐん成長していくほど成長速度が速いので、高木になっては困る場所の植え付けに注意が必要です。

種類

ジューンベリー
ジューンベリーは幾つかの品種があります。「スノークラウド」「プリンス・ウィリアム」「プリンセス・ダイアナ」「ロビンヒル」などです。

ジューンベリーには、近縁種や交配種もあります。北アメリカ原産の「カナデンシス」は近縁種です。「グランディフローラ」は交配種です。

ジューンベリーの基礎知識

ジューンベリー

ジューンベリーの花言葉は?

ジューンベリーの花言葉は、「穏やかな笑顔」「穏やかな表情」などです。

シンボルツリーに向くジューンベリー

ジューンベリーは山地に自生する品種で初心者でも育てやすいので、シンボルツリーとしても人気が出てきました。株立ちにも仕立てられるので、ナチュラルな庭木になります。細くしなやかな枝が伸びるので、女性らしい雰囲気が人気です。

ジューンベリーは可憐な白い花、食用できる実、秋の紅葉など、シンボルツリーにふさわしい特徴を持っています。実は1本でもよくなるので、栽培が容易です。

ジューンベリーの株立ちの作り方

ジューンベリーは自然に育ててもひこばえがよく出るので、株立ちに仕立てることができます。3本くらいの幹を残して株立ちにすると、自然樹形が保ちやすくなります。

充実した枝を3本残して株立ちにします。または1本立ちのものが充実したら、主幹を根元から切りとり、ひこばえを出して3本の幹を成長させることも可能です。

ジューンベリーの実の食べ方

ジューンベリー
ジューンベリーの実は、ジャム、ケーキ、果実酒などに加工して食べることができます。酸味が強いのでジャムや果実酒などに加工すると食べやすいです。

ジャムにするときは100gの実に対し3割の砂糖を加えて煮込みます。果実酒はホワイトリカーと氷砂糖を加えて漬け込みましょう。実はブルーベリーのようにそのままお菓子に加えて焼くこともできます。

ジューンベリーの実がならないのは?

ジューンベリーは放任しても、よく花が咲いて実がつきます。しかし、肥料でリン酸分が不足すると花つきがわるくなるので、多めに与えましょう。逆に窒素分は控えるようにしてください。

ジューンベリーは北海道でも育つ?

ジューンベリーは耐寒性がある品種なので、北海道でも栽培が可能です。北海道であまり見かけることはありませんが、北海道在住の我が家でも元気に育っています。

ジューンベリーの冬囲いのやり方

ジューンベリー若木のころは雪の重みで枝が折れやすいので、支柱を立てて紐で枝をくくって雪囲いをします。最後にムシロや網で覆うと寒さ対策になります。

ジューンベリーが大きく成長すれば、雪囲いの必要はありません。屋根から雪が落ちてくる場所にジューンベリーを植えている場合は、枝が折れない対策が必要です。

ジューンベリーの育て方

ジューンベリー
ジューンベリーは耐寒性があるので、寒冷地でも栽培が可能です。栽培する場所は、日当たりのよい場所を好みます。

土質は腐植質にとんだ肥沃な場所が適しています。保水性と水はけのよい場所を選びましょう。

剪定

ジューンベリーは自然樹形が美しいので、できるだけ一律に切り詰めず自然に育てるようにします。樹高を高くしたくない場合は枝先を一律に短くしたくなりますが、自然樹形を損なうため避けましょう。

剪定するのは、長く伸びた枝や、内側に出た混みあった枝です。枝を切るときは、必ず付け根から切るようにします。ひこばえが出やすいので、不要な枝は切りとりましょう。

害虫や病気

ジューンベリーは、テッポウムシの被害にあうことがあります。あとは特に病害虫の心配はありません。

肥料

ジューンベリー
ジューンベリーの肥料は、窒素分を控えます。冬にリン酸を多めに施します。

増やし方

ジューンベリーは、種から容易に増やすことができます。収穫せず地面に落ちた実が勝手に芽吹くので、苗を収穫して増やしましょう。または、ジューンベリーは挿し木でも増やすことができます。

移植や植え替え

ジューンベリーの移植や植え替えは、落葉期が適しています。移植先には腐葉土を混ぜ込み、保水性と水はけをよくしてください。

ジューンベリーの入手方法

ジューンベリー

値段

ジューンベリーのポット苗は、1,000円前後から売られています。

販売先

ジューンベリーは幅広い地域で栽培が可能なので、近くのホームセンターや園芸店で探してみましょう。シンボルツリーとしても人気が出てきている木なので、扱っているお店も多いです。

近くのお店でジューンベリーの苗木が見つからない場合は、ネットショップの活用がおすすめです。

苗木

ジューンベリーの苗木を入手したら、1月~2月に植え付けます。土に腐葉土を混ぜ込んで保水性と水はけをよくしましょう。

鉢植え

ジューンベリーは高木になるので、広さがない庭では鉢植えで管理しましょう。腐葉土を混ぜ込んで鉢に植え付けてください。日当たりがよい場所で鉢を管理して、土が乾いたらたっぷり水を与えます。

盆栽

ジューンベリーは種からも増やせるので、実生から育てた苗を盆栽に仕立ててみましょう。大きく成長してきたら、鉢植えに植え替えるのがおすすめです。

ジューンベリーのQ&A

ジューンベリーの木の株立について教えてくだ・・・

園芸店で、ジューンベリーの接木の1メートルほどのポット苗をみかけました。この接木の苗から将来株立に仕立てることは可能ですか?
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ジューンベリーの茶色くなった葉、枯れた新芽・・・

5月25日に2mほどのジューンベリーを南むきに植えました。それから4日目ですが、葉が半分ほど紅葉?というか、黄色から茶色に変化してきています。枝の先端、新芽の部分はふにゃりと垂れてしまい、葉も丸まってきています。
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庭にジューンベリーを植えるんですが、ジュー・・・

アメリカザイフリボクと言う種類のジューンベリーが綺麗らしく、日本のザイフリボクより綺麗と聞いた事があるのですが、知人の造園屋さんに頼むんですが、一応、アメリカザイフリボクと伝えて発注してもらった方がいいんでしょうか?
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ジューンベリーの品種について 幼稚園の卒園記・・・

幼稚園の卒園記念樹としてジューンベリーを園庭に植えようと考えています。いろいろ調べてみたのですが品種が多くとても悩んでいます。詳しい方、おすすめを教えていただけませんか?
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近所の花屋でジューンベリーを購入したいと考・・・

株立ちと一本立ちが有るのですが、共に品種はわかりません。初心者にはどちらが扱いやすいのでしょうか?
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まとめ

ジューンベリーは近年シンボルツリーとして人気が出てきている品種です。春の小花や、夏の食用にできる実、秋の紅葉が楽しめます。ジューンベリーは品種で悩んでいる方も多いようなので、好みの品種を比較してから選ぶのがおすすめです。