柿の木の栽培方法

柿の木

柿の木は秋に実がなり、収穫する楽しみがあります。暑さにも寒さにも強いので、日本全国で栽培が可能です。甘柿と渋柿の2種類があるので、適した品種を選びましょう。実をならすために、柿の木の特徴や育て方をチェックしておいてください。

柿の木の特徴

【別名】カキノキ
【科/属】カキノキ科カキノキ属
【樹高】5~10m
【種類】落葉高木
【樹形】1本立ち
【花期】5月下旬
【花色】黄色
【葉形】卵形
【使い方】庭木、食用
【耐陰性】なし
耐寒性】強い(東北地方まで)
【名前の由来】果実が赤く熟すから「アカキ(赤木)」の転訛などの説がある。。

柿の木は、日本全国で栽培される、落葉高木です。寒冷地では甘柿の渋みが抜けないので、暖地の栽培に向いています。渋柿はどこでも育てることができきますが、寒冷地だと肉質がよくなります。

柿の木
柿の花は、5月下旬に開花します。薄い黄色の目立たない花で、多くは葉に隠れてしまいます。

柿の木
柿の木の葉は、先がとがった卵形をしています。葉の表面は光沢がある緑色です。

柿の木
柿の木の実は、食用としてもお馴染みです。品種によって収穫時期が多少異なりますが、9月初旬~遅いものは11月下旬までなります。

柿の木に実がなってもそのまま放置すると、実に栄養を取られてしまいます。実を放置すると翌年は実がつきにくくなるので、実が熟したら速やかに収穫しましょう。収穫は枝を傷めないようにハサミで切りとります。

樹高

柿の木の樹高は、5m~10mでやや高木になります。放任して育てると樹高が高くなるので、植え付け時に切り戻してコンパクトに仕立てます。鉢植えもできるので、狭い庭でも栽培が可能です。

種類

柿の木
柿の木は甘柿と渋柿から好みの品種を選びましょう。甘柿では「富有」があります。日本の甘柿の代表種で、樹勢が強く栽培適地が広いです。病気は炭疽病に注意しましょう。実の収穫は11月上旬~11月中旬ごろです。

秋になると赤く紅葉するため観賞価値が高い「丹麗」や、味がよく甘みがある「太秋」、果実が大きく甘みがある早生の「早秋」なども、甘柿にあります。

渋柿は、縦に長細く中国地方の特産の干し柿に向く「西条」、早生で糖度が高い「太天」などです。ほかにも「平核無」「百目」、などがあります。

中国から導入された小型の「ロウアガキ」は、果実が小指の先くらいです。観賞用に優れているので、盆栽として用いられています。

柿の木の基礎知識

柿の木

柿の木の花言葉は?

柿の木の花言葉は、「自然美」「優しさ」「恩恵」などです。

柿を甘くする肥料とは?

柿の木を甘くする肥料は、有機肥料です。動物性や植物性の有機肥料を与えましょう。化成肥料は柿の成長を促しますが、水分が少なくなります。

柿の授粉樹とは?

柿の木はほとんどの品種が1本で実を付けますが、雄花を付けない品種もあるので注意が必要です。雄花を付けない品種では、別途授粉樹を用意する必要があります。

例えば「富有」「次郎」「百目」などの甘柿は、雄花がつきません。雄花がよくつく「善寺丸」「正月」などを近くに植えると実つきがよくなります。

柿の天日干しのやり方

柿の木
渋柿は天日干しすることで、甘い柿になります。柿の皮をむいてヘタを取り、枝をT字に残しておきましょう。ビニール紐を枝に結び付けて、柿を熱湯に10秒付け消毒させます。

柿を干したら、1週間後に揉み、あとは3日に一度揉んで好みの固さまで干します。

柿の実がならないのはなぜ?

柿の木の実がならないのは、花芽を剪定で取ってしまったからです。柿の剪定は徒長枝や混みあったものだけにして、あとは残します。

切る枝は、並行する枝をどちらか1本、ハサミ枝の1本、主幹の先端が枝分かれしている場合1本以外の枝です。

柿の渋みの抜き方

渋柿はそのままでは食べることができません。収穫した柿はアルコールを利用して「脱渋法」して甘くしましょう。

収穫した渋柿をビニール袋に入れます。5kgの果実に対し、焼酎50CCを入れて、新聞紙に包んだドライアイスも投入します。袋を密閉して1週間~2週間で渋柿の渋さが抜けているはずです。

柿の木の育て方

柿の木
柿の木は、寒さにも暑さにも強いので全国各地で栽培が可能です。果樹としてもポピュラーで、庭木から鉢植え栽培まで活用されています。

剪定

柿の木の葉芽は徒長枝に付かないので、冬に長く伸びた枝を切りとります。それ以外の枝は絶対に切りとらないようにしましょう。日当たりや風通しをよくするために、混みあった枝も切り取ります。

柿の木の花芽は、前年枝の頂部に1~3芽できます。枝先を剪定すると花や実がつかないので注意しましょう。

柿の1年目は地上部がほとんど伸びないので、剪定の必要はありません。植え付けから1年目の冬に、上に向かって伸びた2本の主幹を左右に広げて支柱で固定します。

柿の木は樹高が高くなるので、主幹を開くようにすると樹高を抑えることができます。2本の枝を誘引させ先端を切りとって、側枝を出させます。

2年目までは先端を切りとり、側枝を出させて株を充実さてください。3年目になったら果実を付けてもよいです。

柿の木は大きな実をつけるために、摘蕾や摘果が必要です。1本の枝につく蕾の数を減らし、幼果が大きくなり出したら15~20葉に1果へと調節します。

害虫や病気

柿の木は、炭疽病、黒星病、カキノヘタムシがよく見られます。5月下旬~9月にかけてヘタムシが発生しやすいので注意が必要です。

肥料

柿の木の肥料は、2年目から寒肥と追肥をします。

増やし方

柿の木は、種まきや接ぎ木で増やすことができます。種から育てると実をつけるまで時間がかかるので、種まきは接ぎ木用の台木用として育てましょう。

移植や植え替え

柿の木の移植や植え替えは、落葉期におこないます。鉢植えの場合は2~3年に一度の植え替えが必要です。

柿の木の入手方法

柿の木

値段

柿の木のポット苗は、1,000円台から売られています。

販売先

柿の木は幅広い地域で栽培が可能なので、近くのホームセンターや園芸店で入手できるでしょう。手に入りにくい品種があるときは、ネットショップの活用がおすすめです。

苗木

柿の木の苗木を入手したら、11月下旬~2月ごろまでに植え付けします。細い根のうちは乾きやすいので、水切れに注意しましょう。

苗木を選ぶときは、細い根が多く根が充実したものを選びます。根が悪いものは植え付けてから成長が遅いのですが、根が太くなってくるに従い成長するので、根気よく育てましょう。

盆栽

柿は盆栽でも出回っているものがあります。日当たりのよい場所で育てながら、夏は直射日光に注意しましょう。夏に水切れすると実がならないので、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。

鉢植え

柿の木は鉢植えでも管理ができます。植え付け時は8号の鉢を選び、2年目に10号鉢に植え替えます。植え付けるときは根の先端を切りとり、接ぎ木部分が隠れない程度に土を被せます。

植え付け時に地上50cmのところで切り戻しをして、側枝を出してこんもりと育てます。支柱を立てて苗がぐらつかないようにします。最後に鉢底から水が出るくらい、たっぷりと水を与えてください。

柿の木のQ&A

柿の木を2種類植えてから、すでに8年になり・・・

肥料を与えてこなかったのが大きな原因と思いますが、木の高さはいまだに50センチ昨年は小さな実が1つだけなりました。
柿の木を2種類植えてから、すでに8年になり・・・の詳細

柿の木の消毒時期はいつですか? 新芽の出てい・・・

新芽の出ている今は消毒しても意味がないでしょうか?今朝、毛虫の大量発生に驚いて、見上げたら柿の木にもいたので柿の木が悪いんだと思い消毒を依頼しました。
柿の木の消毒時期はいつですか? 新芽の出てい・・・の詳細

柿の木の寿命は何年?柿の木を植えたいのです・・・

果樹園として維持したいのです。孫が受け継ぐと言いますので年数は掛っても大丈夫なのですが。桃栗3年下記8年とは本当ですか。
柿の木の寿命は何年?柿の木を植えたいのです・・・の詳細

渋柿の干し柿用に収穫する場合、ヘタに着いて・・・

渋柿の干し柿用に収穫する場合、ヘタに着いている枝をTの字に伐って収穫すると、干し柿を吊るす作業には能率的ですが、枝をTの字に伐ることは次年度の結果枝に悪影響が出るのではないですか。次年度の結果を考えればヘタのすぐ上で切って収穫すべきではないですか。
渋柿の干し柿用に収穫する場合、ヘタに着いて・・・の詳細

鈴なりに実の生る、野生の様な小粒の柿につい・・・

自然な種類の柿は熟すまでは総じて渋いのではないかと思うのですが、野生のものや小粒のとても小さな柿の生る種類でも甘柿の場合はあるのでしょうか。
鈴なりに実の生る、野生の様な小粒の柿につい・・・の詳細

まとめ

柿の木は食用にもなる実がなるため、果樹として人気があります。幅広い地域で栽培が可能ですが、甘柿と渋柿では多少栽培適地が異なります。実をつけるためには剪定にコツが必要なので、間違わないようにしましょう。