サンシュユの育て方
サンシュは春に咲く黄金色の花が特徴的です。枝いっぱいに花が咲く様子は、見ごたえがあります。やや寒さに弱いので、東北以南の地方におすすめです。サンシュユの特徴や育て方を紹介します。
サンシュユの特徴
【科/属】ミズキ科ミズキ属
【樹高】5~6m
【種類】常緑小高木
【樹形】株立ち
【花期】3~4月
【花色】黄色
【葉形】卵形
【使い方】庭木、薬用
【耐陰性】なし
【耐寒性】ややある(東北地方南部まで)
【名前の由来】薬用植物として渡来したときの名前が「山茱萸」でその和音読み。
山茱萸は、中国地方に自生する、常緑小高木です。日本へは江戸時代に、薬用植物として入ってきました。春に咲く黄色の花が特徴のため、早春を飾る代表的な花木として用いられています。
2月~4月に黄金色の花を咲かせるので「ハルコガネバナ」とも呼ばれます。また、秋に実が赤く熟すので「アキサンゴ」ともいう樹木です。
花
サンシュユの花は、3月~4月に開花します。黄金の小さな花が多数まとまって咲くのが特徴です。
葉
サンシュユの葉は、先がとがった卵形です。葉の長さは4~10cmで、葉の表面に白い毛があります。
紅葉
サンシュユは、秋になると葉が赤く紅葉します。サンシュは「ハナミズキ」や「ヤマボウシ」と同じミズキ科の植物で、ミズキ科の植物は秋の紅葉が綺麗なことでも有名です。
実
サンシュユの実は、長さが1cmの卵形をしています。秋になると実が赤くなります。サンシュユの実は、グミの実とも似ています。
樹高
サンシュユの樹高は、5~6mです。自然と株立ちになるので、庭木としても向いています。
種類
サンシュユは、園芸種として「金時」があります。小さいうちから実つきがよい品種です。
サンシュユの基礎知識
サンシュユの花言葉は?
サンシュユの花言葉は、「持続」「耐久」「強健」などです。
サンシュユに似た花とは?
写真はアブラチャン
サンシュユに似た花が咲く庭木を選びたい場合は、ダンコウバイやアブラチャンがおすすめです。
ダンコウバイは落葉小高木で、黄色い小花が数個まとまって咲きます。「クスノキ科クロモジ属」の植物で、黄色い花と小さな実の観賞価値が高いです。
アブラチャンは本州から九州までの山地で見られる落葉低木です。緑色っぽい黄色い小花が特徴で、丸形の実がなります。「クスノキ科クロモジ属」の品種で、半日陰で育てる樹木です。
サンシュユの実は食べることができる?
サンシュユの実はもともと生薬として使われてきました。サンシュユの実を生のままでも食べることができますが、そのままだと苦味があるので美味しくはありません。
サンシュユの実を食べたいなら、果実酒やジャムなど加工して食べるのがおすすめです。
生け花にも使えるサンシュユの花
サンシュユの花は鮮やかな黄色をしているので、切り花としても楽しめます。枝ごと切り取り、生け花の材料にも使われています。
ヨーグルト作りにおすすめのサンシュユ
サンシュユの枝には乳酸菌が付着しているので、ヨーグルト地域に使う地域があります。ただし、サンシュには乳酸菌以外の微生物も付着しているので、家庭でヨーグルト作りにサンシュの枝を使うのは避けましょう。
樹木の枝を浸して牛乳が固まったからといってヨーグルトと同じものができたとは判断できません。牛乳の凝固は微生物が繁殖して酸を出した結果だと考えられますが、それが乳酸菌かどうかは不明であり、乳酸菌以外の細菌や酵母・カビなども考えられます。
出典:https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2235
サンシュユの育て方
サンシュユは、やや寒さに強い品種で、東北地方以南で地植えが可能です。栽培に適した場所は、日当たりと水はけのよいところです。
日陰では花つきが悪くなるので注意しましょう。日当たりがよい場所を好みますが、西日が強い場所は避けます。土層が深く湿度を保ちやすい場所が適切です。
乾燥する場所では細い枝が枯れやすくなります。夏の乾燥する日は、夕方に水やりするのが理想的です。
剪定
サンシュユの剪定は、12月~2月の落葉期におこないます。切りとるのは、花芽がない徒長枝や、株元から出るひこばえです。株元から多くのひこばえが出るので、2~3本の幹を選んでコンパクトに仕立てましょう。
剪定は花芽のある短枝を残すようにします。強剪定をすると花つきが悪くなるので注意が必要です。強剪定が必要な場合は、4~5年ごとに花後におこないます。
害虫や病気
サンシュユは、カイガラムシが発生することがあります。病気は斑点病、うどんこ病に注意が必要です。
肥料
サンシュユの肥料は、花後と8月下旬に与えます。油粕と骨粉をほどこしましょう。花後に肥料を与えて葉を茂らせるようにすると、翌年の花つきがよくなります。
増やし方
サンシュユは、挿し木か種まきで増やすことができます。種から増やす場合は、秋に熟した実から果肉を落とし、土にまきましょう。開花までに数年かかるので、早く大きくしたい場合は挿し木を選んでください。
移植や植え替え
サンシュユを植え替えする場合は、落葉期を選びます。東京以北の寒い地方では、2月~3月の春に移植するのが安全です。
サンシュユの入手方法
値段
サンシュユのポット苗は、1,000円台から売られています。
販売先
サンシュユは東北以南まで栽培が可能な植物で、適地にあるホームセンターや園芸店で手に入ります。近くのお店で見つかりにくい場合や、斑入りのものなど特定の品種を探している場合は、ネットショップの活用がおすすめです。
苗木
サンシュユの苗木を入手したら、落葉期に植え付けします。東京以北の地域では、2月下旬~3月の暖かくなってからの植え付けが安全です。
植え付け場所は冬の冷たい風が防げる場所を選びましょう。土には堆肥や腐葉土を十分混ぜ合わせておきます。
鉢植え
サンシュユを植えるスペースがない家庭や、寒さの厳しい地域では鉢植えで管理しましょう。鉢で育てれば、冬の寒い時期に室内へ取り込むことができます。
鉢は日当たりのよい場所で管理します。土質は保水性のある肥沃な土を好むので、堆肥や腐葉土を混ぜ合わせます。鉢植えにすると水切れしやすいので、夏の暑いときはたっぷり水を与えましょう。
サンシュユのQ&A
教えてください、サンシュユの木の植え替え・・・
都合上サンシュユの木の植え替え(移動)を9月中に行いたいのですが、いろんな本などをみると。「12月~3月の落葉期に行う」のが良いとあります、そこまでまてないので9月頃行うにあたり、大丈夫なのか? また、行える様ならどのような点に注意したら良いか教えていただきたいのですが、よろしくお願いします。
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サンシュユの剪定について・・・
この冬に庭のサンシュユを剪定したいと思っています。大きいので一回り小さくして、上部分を1m弱切りたいのですが、どのように剪定すればよいでしょうか?
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うちの庭に春に黄色い花が咲くサンシュウとい・・・
今赤い実がなっています これは食べられるそうですが道路に面したところにあるので近所の子供がとって犬に食べさせたそうでびっくりしています 人間には大丈夫でも犬には有害なものもあるので少し心配です やはりやめさせたほうがいいでしょうか?
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サンシュユの木の幹がパカっとわれています・・・
これはどんな原因が考えられるのでしょうか?宜しくお願いします。
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庭の、さんしゅうの木の葉が黒くなっています・・・
春先からずっとです。今はかわいい実を沢山つけていますが、葉が汚くて参ります。何が原因でしょうか?植えてから30年弱になります。
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まとめ
サンシュユは、春を代表とする花木です。黄色い小花が咲く様子と、秋の赤い実が特徴です。自然に育てても株立ちになり、庭木としても向いているでしょう。もともと薬用植物として入ってきた木で、実も食用にできます。