ロウバイの育て方

ロウバイは1月~2月に黄色い花が咲き、強い芳香を楽しませてくれます。寒さや病害虫にも強いので、初心者でも育てやすいでしょう。成長がゆっくりで花が咲くまでが長いので、じっくりと庭木を育てたい方におすすめです。ロウバイの特徴や育て方を紹介します。
ロウバイの特徴
【科/属】ロウバイ科ロウバイ属
【樹高】2~5m
【種類】落葉低木
【樹形】株立ち
【花期】1月上旬~2月下旬
【花色】赤、黄色
【葉形】卵形
【使い方】庭木、茶庭、茶花
【耐陰性】なし
【耐寒性】強い
【名前の由来】中国名の「蝋梅」の和音読み、花色が蜜蝋に似ている、開花が蝋月(旧暦12月)などの説がある。
ロウバイは、中国原産の落葉低木です。日本へは江戸時代にわたってきました。
ロウバイの開花時期は1月~2月で、まだ寒さの厳しい時期に花が鑑賞できます。寒冷地では雪景色と花の組み合わせが楽しめるでしょう。
花には香りがあることから、玄関先に植えて道行く人にも楽しんでもらいたい樹木です。茶木や茶花としてもよく活用されています。
花
ロウバイの花は、径2cmの大きさがあります。芳香があるのが特徴で、花びらはらせん状につきます。外側は光沢がある黄色で、内側は褐色になります。開花時期は1月~2月までで、寒期に花を咲かせる庭木として使えます。
葉
ロウバイの葉は、先がとがった卵形です。葉の長さは7~15cmで、薄い葉質で表面にはざらざらがあります。葉の表面に葉脈がくっきりと出ているのが特徴です。
実
ロウバイの実は、偽果です。果実は通常子房と種子だけでできますが、偽果はガクやその他の部分が果実になります。
ロウバイの果実は、果実が入る肉質の果床が大きくなります。果実の大きさは長さ3.5cmです。形は卵形で、最初は緑色をしていますが、熟すと褐色になります。
樹高
ロウバイの樹高は2~5m程度です。適度な背丈に育ちますが、株立ちになって横に広がるので、適度な庭の広さに向いています。
種類
ロウバイには花が小型の中国原産のものと、アメリカ原産の品種があります。アメリカ原産のものは、花全体が透明感のある黄色で芳香がある「ソリンロウバイ」、大きな黄緑色の花を付け芳香がない「アテネ」、5月~7月に暗紅色の花が咲きイチゴのような香りがする「クロバナロウバイ」があります。
ロウバイの基礎知識
ロウバイの花言葉は?
ロウバイの花言葉は、「ゆかしさ」「慈しみ」です。
ロウバイはどんな香り?
ロウバイの香りは香水に使われるほど、良い香りがします。芳香がかなり強く、春を思わせる清涼感のある香りです。
ロウバイから直接精油をとることは難しいので、ロウバイの香水は人工的に調合したものが使われています。ロウバイの香りが好きな方は、アロマオイルではなく香水で探してみましょう。
ロウバイは北海道でも育つ?
ロウバイは耐寒性がある樹木なので、北海道のような寒冷地でも栽培が可能です。どちらかというと群馬県でよく見かける樹木です。
ドライフラワーになるロウバイ
春を思わせるロウバイの花は、そのままの形で残せるドライフラワーにしてみましょう。開花直前の枝を切りとり、自宅で水揚げしてから陰干しして作ります。1~2週間でドライフラワーになるので、初心者でも作りやすいです。
ロウバイの実は毒がある
ロウバイの実が熟して茶褐色に変わると、中から種が出てきます。ロウバイの種には毒が含まれているので、絶対に口にしないようにしましょう。
ロウバイの育て方
ロウバイは、寒さに強いので北海道のような寒冷地でもよく育ちます。逆に暑さには弱いので、暖地や亜熱帯地方では育ちにくいです。
植え付ける場所の土質は選びません。半日陰でも育ちますが、花つきをよくするなら日向に植えましょう。水はけのよい場所を好み、ひどく乾燥する場所は苦手です。
剪定
ロウバイは、強い枝を切り詰める程度の剪定でよいです。自然樹形で株立ちに育つので、混みあった枝や伸びすぎた枝を切り詰めます。
ロウバイの剪定時期は、2月下旬~3月中旬までです。花が咲き終わったあとに、弱く剪定しましょう。切る場所はふところ枝、徒長枝、ひこばえです。
徒長枝は5~6年に一度、付け根を残して1/3くらいの長さに切り詰めましょう。すると枝が新しく更新されていきます。長く伸びた枝には花芽が付きません。
ロウバイは株立ちになって枝数が増えるので、2~3本を選んで早めに整理しておくと、スッキリとした樹形になります。
害虫や病気
ロウバイに病害虫はほとんど発生しません。発生する可能性があるのはミノムシで、5月中旬~9月までに注意しましょう。
肥料
ロウバイは、2月に肥料を与えます。油粕と骨粉を混ぜ合わせて施します。
増やし方
ロウバイは、挿し木や種まきから増やすことができます。春に柔らかい枝を選んで切りとり、切り口に発根剤を塗ってから土にさしましょう。実が付いて熟したら種を採取して、土に植えて増やすこともできます。
移植や植え替え
ロウバイは移植を嫌うので、植え付ける場所をよく考えましょう。
ロウバイの入手方法
値段
ロウバイのポット苗は、1,000円前後から売られています。
販売先
ロウバイは寒冷地で育ちやすい植物なので、寒い地方のホームセンターや園芸店で入手できます。黒ロウバイやアメリカロウバイなど手に入りにくい品種がある場合は、ネットショップの活用がおすすめです。
苗木
ロウバイの苗木を入手したら、2月下旬~3月または11月下旬~12月に植え付けます。堆肥や腐葉土を混ぜ合わせてから、根元が高くなるようにして植え付けてください。植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
盆栽
黄色い花が楽しめるロウバイは、盆栽としての栽培も可能です。種からも増やすことができるので、庭で育てているロウバイから盆栽に仕立てるのもいいでしょう。
若木のうちに針金をかけて、癖を付けさせます。盆栽は根詰まりしやすいので、2年に1回は植え替えしましょう。
鉢植え
ロウバイを植えるスペースがない家庭では、鉢植えのロウバイを入手してみましょう。玄関先に置いておくと、花や芳香を楽しむことができます。ネットショップでは鉢植えのロウバイをプレゼント用としても入手が可能です。
ロウバイのQ&A
ロウバイの実について・・・
植えて三年目の我が家のロウバイですが、やっと土になじんでくれたのか今年はたくさん咲いてくれました。で、今は葉が青々と茂っているのですが、先日、実がなっているのを発見しまして。まあ2個だけなのですが。ほかにもあるのかもしれませんが、葉が生い茂りすぎて見つけられません(^^;)
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ロウバイはできますか. そのほか挿し木できるものはなんですか教えてください
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まとめ
ロウバイは耐寒性がある樹木で、病害虫もほとんど発生せず、初心者でも育てやすい樹木でしょう。寒さが厳しい頃に花を付けて、芳香も楽しませてくれます。成長が遅い木で、花がなかなか咲かないという声も多いようで、じっくりと庭木の成長を楽しみたい方におすすめです。