サザンカの育て方
サザンカは椿との違いがわからない、という方も多いようです。それぞれ花の咲き方や、葉の様子で区別がつきます。サザンカは花色や形も方法で、生垣にもできる樹木です。強い刈り込みができますが、害虫の被害もあるので注意しましょう。サザンカの育て方や特徴を紹介します。
サザンカ特徴
【科/属】ツバキ科ツバキ属
【樹高】5~15m
【種類】常緑高木
【花期】10月中旬~翌3月(品種によって変わる)
【花色】白、黄色、赤、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭木、生垣、油、材木
【耐陰性】ややある
【耐寒性】なし
【名前の由来】サザンカは山茶花と書きます。本来山茶花とは中国名のツバキです。日本ではツバキが「椿」で、サザンカが「山茶花」となった。
サザンカは、山口県以南の山地に分布する、常緑高木です。秋が深まってきたころに花が咲くのが特徴で、木枯らしで花びらが散ってしまう命の短い花が咲きます。
サザンカは椿と同様に、日本から古くから育てられてきました。椿よりサザンカの歴史のほうが古いのですが、品種改良が始まった時期は遅く江戸時代からです。
もともとサザンカは四国や九州に自生していて珍しいものではなかったので、品種改良も遅れたのではないかと考えられています。日本に自生しているものは白色の一重の花です。
花
サザンカの花は、白、黄色、赤、ピンクと花色が豊富です。一般的に花の開花時期は、10月中旬~12月下旬にかけてです。しかし、品種によっては3月の春先に咲くものもあります。春咲きのものはハルサザンカ系で、秋咲きのサザンカ系に分かれます。
サザンカの花は、径5~8cmの大型です。中心の雄しべが淡黄色で、花弁と雄しべはバラバラに落ちていきます。
葉
サザンカの葉は、先がとがった卵形です。葉の長さは3~7cmで、幅2~3cmくらいの大きさがあります。葉は硬く、縁にはギザギザがあります。主脈がが目立ち、毛が生えているのが特徴です。
実
サザンカの実は、丸形です。赤く熟した実がなります。サザンカは花が華やかで目立ちやすいため、実に目がいかない方も多いでしょう。実は椿と同様に、油を搾るために使います。
樹高
サザンカの樹高は、5~15mです。刈り込みに強いので、背丈を小さく刈り込んで、生垣にすることもできます。高木になりますが、狭い庭でもコンパクトに仕立てやすいでしょう。
種類
サザンカは、江戸時代に多数の品種が誕生しました。しかし、幕末から明治にかけてや、第二次大戦によっても多くの品種が失われてしまったため、現在は80種類くらいの品種があります。
「御美衣(おみごろも)」は白の花の縁に赤いぼかしが入ります。庭木としてはもちろん、生垣や切り花としても楽しまれている品種です。
「富士の峰」は白色の八重咲種です。木は横に張りやすく、寒さに弱くなっています。「丁字車(ちょうじくるま)」は、ピンク色で、「昭和の栄」は濃いピンク色の八重咲です。
「唐子咲(からこざき)」は、花が小さく、「おとめサザンカ」はピンク色の八重咲です。「寒椿」は獅子頭とも呼ばれる品種で、赤い八重咲の花が咲きます。
「飛竜」は濃い赤色の花で、生育は旺盛で、耐寒性が強く、切り花によく用いられています。ほかにも、「タチカンツバキ」は赤い花で12月~2月に花が咲きます。
サザンカの基礎知識
サザンカの花言葉は?
サザンカの花言葉は、「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」、赤いサザンカは「謙譲」です。
サザンカと椿の違いとは?
写真は椿
現在は品種改良が進み、サザンカと椿の品種が混ざったものも出回っています。そのため見分けがつかないこともありますが、サザンカと椿は次のような特徴があります。
サザンカ
- 花は秋に咲く
- 原種は白または淡いピンク
- 花は平らでバラバラに散る
- 花に香りがある
- 葉が小さい
- 若い葉は裏に毛がある
椿
- 花は12月~翌4月に咲く
- 花は花首から落ちる
- 花が立体的で厚みがある
- 葉の裏に毛がない
サザンカの花が咲かない理由は?
サザンカは寒さに弱い木のため、日照不足や風の影響があると花が咲かないことがあります。「日陰に植える花」だと勘違いしていることがあるので、日照時間に注意しましょう。また、生垣のように強い刈り込みをする場合で剪定時期が遅くなると、花芽を切ってしまい花が咲きにくくなります。
花束にもおすすめのサザンカ
サザンカは切り花としてもよく使われる花で、花束にも活用してみましょう。花屋さんに切り花としておいてあることは少ないので、家庭で手作りする花束としておすすめです。
サザンカの育て方
サザンカは、椿と同様に日陰を好むと思われていますが、日向を好みます。土質は選ばないが、水はけのよい場所に植え付けましょう。
サザンカは寒さに弱くなっているので、地植えできるのは東北南部までです。
剪定
サザンカの剪定は、4月におこないます。放任して育てると花の位置が高くなるので、強い枝を付け根から切りとりましょう。花が咲いてからも3~4芽残して切り詰めます。
サザンカを生垣にする場合で花を咲かせなくてもよいときは、6月にの刈り込みも可能です。強い刈り込みも可能で、樹形を整えるように伸びすぎた枝をカットします。同時にふところ枝も切ってください。
害虫や病気
サザンカは、モチ病にかかることがあります。モチ病とは、新芽や葉が大きくなり、白色や赤色と変化する病気です。
また、5月と7月にチャドクガという害虫が発生します。チャドクガの虫は触れるとかぶれるので注意しましょう。ほかにもカイガラムシ、アブラムシ、テッポウムシ、ハマキムシなども発生することがあります。
肥料
サザンカは、毎年2月に寒肥を与えます。堆肥や腐葉土を入れて、油粕も与えてください。
増やし方
サザンカは挿し木か取り木で増やすことができます。6月~8月に伸びた枝を切りとり、土にさして根を出させましょう。取り木は3月~6月までに枝の樹皮をはいでミズゴケで覆い、数ヶ月かけて根を出させます。
移植や植え替え
仮植えした苗を植え替えるは、4月~5月ごろにおこないます。鉢植えでサザンカを育てている場合も、2~3年ごとに植え替えましょう。一回り大きな鉢に植え替えてください。
サザンカの入手方法
値段
サザンカのポット苗は、1,000円前後から売られています。価格がお手頃なので、苗を数本購入して生垣としても仕立てやすいでしょう。
販売先
サザンカは暖かい地方に地植えできる植物なので、暖かい地方のホームセンターや園芸店で入手しましょう。寒い地方では鉢植えとして売られているものを入手することになります。特定の園芸種が手に入りにくい場合は、ネットショップの活用がおすすめです。
苗木
サザンカの苗木は成長が遅く、寒さに弱くなっています。一般的に苗を買う場合は花を見てから購入になるので、その年は鉢植えで育てましょう。日のよく当たる室内で越冬させてください。翌春は4月~5月に植え付けします。
大苗を購入した場合は、庭の日が当たる暖かい場所に仮植えします。株元に敷き藁などをして防寒対策をしておきましょう。
サザンカのQ&A
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私は山茶花の花が好きなのでお礼を言って1本はハナミズキの横に直植えし、もう1本は鉢に植えました。育て方を調べてびっくり。猛毒の毛虫がつきやすいのですね。
山茶花について前向きな意見をください。 新築・・・の詳細
まとめ
サザンカは椿ともよく比べられる花木で、花が美しいのが特徴です。強い刈り込みにも耐えるので、生垣としても育てることができます。園芸種も豊富で、好きな花色や形から選んでみましょう。