シイ(椎)の木の育て方

シイ(椎)の木

シイ(椎)の木といったら、食用にできるどんぐりの実が特徴です。苗木を買ってきて植え付ける以外にも、公園や山でどんぐりを採取して増やす楽しみもあります。花の時期の臭いや高木になる注意点もあるので、詳しい育て方や特徴をチェックしましょう。

シイ(椎)の特徴

【別名】ナガジイ、スダジイ
【科/属】ブナ科シイ属
【樹高】15~20m
【種類】常緑高木
【花期】5月中旬~6月中旬
【花色】黄色
【葉形】卵形
【使い方】庭木、防火防風林、食用、材木、シイタケの原木、染料
【耐陰性】なし
【耐寒性】ややある、東北南部まで
【名前の由来】シイタケの栽培に使われる木のため「シイ」と呼ぶ、他の呼び名は果実や葉の形に由来する。

シイ(椎)の木は、東北地方以南の山地に分布する、常緑高木です。一般的にどんぐりの木といったほうがわかりやすいでしょう。活用用途は幅広く、防火防風林としてや、実は食用になり、材木は建築材料や器具にもなります。

シイ(椎)の木の代表的な用途は、シイタケのほだ木に利用することでしょう。樹皮は染料に使うことができます。

シイ(椎)の木
シイ(椎)の木の花は、5月中旬~6月中旬に開花します。花は黄色の小さな小花で、複数の花が集まってアーチ状に垂れ下がります。花穂は長さ8~12cm程度です。雄花の集まりは斜め上に向かって伸びていくのが特徴です。

シイ(椎)の木
シイ(椎)の木の葉は、先がとがった卵形です。葉の長さは5~15cmで、幅3~4cmあります。濃い緑色の硬い葉で、表面には光沢があります。葉の上半分には波状のギザギザが付くのが特徴です。

紅葉

シイ(椎)の木
シイ(椎)の木は秋の紅葉も楽しむことができます。秋になって葉の移り変わりを楽しんでみましょう。

シイ(椎)の木
シイ(椎)の仲間の実は、どんぐりです。実がなるのは開花した翌年の秋です。時期は翌年の10月ごろで、実が成熟すると殻が割れて中から茶色のどんぐりが顔を出します。

シイ(椎)の木になるどんぐりは、食用が可能です。生でも食べることができます。シイ(椎)の木は雄雌同株のため、どの株でも実がなります。

樹高

シイ(椎)の木の樹高は、15~20mで非常に高いです。そのため、一般家庭でどんぐりの木を植えることは少ないでしょう。シイ(椎)の木は、山や公園などで見かけるのが一般的です。

種類

シイ(椎)の木
シイという名前以外にも「スダジイ」「ナガジイ」「ツブラジイ」「イタジイ」「コジイ」などいろいろな呼ばれ方をしています。どれも同じシイ(椎)の木の仲間で、区別は明確ではありません。

シイ(椎)という植物はなく、一般的にスダジイとツブラジイを総称して「シイ」と呼びます。スダジイはツブラジイの変種で、若いころから樹皮が剥がれて老木になると裂け、葉が厚く、実が大きいのが特徴です。

成長速度

シイ(椎)の木の成長速度は速いです。高木になる樹木で成長が速いので、広い場所に植えるようにしましょう。ある程度の高さに育つことを想定して植えてください。

シイ(椎)の基礎知識

シイ(椎)の木

シイ(椎)の花言葉は?

シイ(椎)の木の花言葉は、「永遠の愛」「もてなし」です。マテバシイの花言葉は「長寿」です。

シイ(椎)の木は臭い?

シイ(椎)の木のニオイは、苦手な方もいます。花が咲くころに不快な臭いがでやすいので、庭植えにする場合は注意が必要です。

薪にもなるシイ(椎)の木

薪ストーブがある家庭や、キャンプなどアウトドアが好きな家庭なら、庭にシイ(椎)の木を植えて、薪をとるとよいでしょう。薪の材料は硬くて乾燥しやすく、適度に重量があるものが適しているので、シイ(椎)の木は最適です。

シイ(椎)の育て方

シイ(椎)の木
シイ(椎)の木は、やや寒さに弱くなっています。そのため、栽培可能となるのは、東北南部より南の地域までです。植え付ける場所は、潮風や煙の被害がある場所でも問題ありません。

土質は選びませんが、乾燥する場所を避けましょう。

剪定

シイ(椎)の木は、大木になるので剪定が必要です。5月上旬に強く刈り込み、10月中旬~10月下旬にかけても伸びた枝を刈り込むようにします。徒長枝が出やすいので、こまめな剪定が必要です。

シイ(椎)の木は、樹形を整えるように刈り込む方法や、散らし玉仕立てにすることもできます。複数の塊をつくる方法では、和風庭園に合わせやすいでしょう。

害虫や病気

シイ(椎)の木は、うどんこ病になることがあります。害虫はアブラムシやカイガラムシによるスス病になりやすいので注意しましょう。

肥料

シイ(椎)の木に肥料は必要ありません。

増やし方

シイ(椎)の木
シイ(椎)の木は、実から増やすことができます。公園にどんぐりが落ちていたら、拾ってきて実から増やしてみましょう。

実から芽を出すのは、乾燥していないものを選びます。穴が開いているものは虫に食べられているので避けましょう。

シイ(椎)の実は寒さを経験することで発芽するので、秋に種を植えます。プランターや植木鉢にシイの種を植えたら、屋外に出して寒さに触れさせるのがポイントです。発芽したシイ(椎)の苗は、観葉植物として楽しめます。

移植や植え替え

シイ(椎)の木は根が非常によく張ります。しかし、大木になってからでも移植は可能なので、気温の安定した5月に移植しましょう。

シイ(椎)の入手方法

シイ(椎)の木

値段

シイ(椎)の木のポット苗は、数百円くらいから売られています。庭木になる大きなものでは、1万円~を想定しておきましょう。

販売先

シイ(椎)の木を庭に植えるのは一般的ではないので、近くのホームセンターや園芸店でも売られていない可能性があります。その場合はネットショップで探すと見つかりやすいです。

シイ(椎)の木はどんぐりから増やすこともできるので、公園や山に行ったときに拾ってきて、土に植えて育ててみましょう。成長が速い木なので、種からでも庭木として楽しみやすいです。

苗木

シイ(椎)の木の苗木を入手したら、春~秋までに植え付けます。寒さに弱い木なので、遅い時期に植えてしまうと、根が充分に張っておらず寒さで株が弱ってしまう可能性があります。湿り気のある土を好むので、堆肥や腐葉土を混ぜ合わせてください。

シイ(椎)のQ&A

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まとめ

シイ(椎)の木の仲間には、スダジイやナガジイなど種類があります。どの木も食用にできるどんぐりの実がなるので、秋の収穫が楽しみになるでしょう。高木となるので庭に植え付ける場合は、庭の広さに注意してみてください。