ユスラウメの育て方

ユスラウメ

ユスラウメは実がなるので、子どもの頃食べた記憶がある方もいるでしょう。実は甘酸っぱいので、生食よりジャムの加工がおすすめです。ユスラウメの育て方や特徴を紹介します。

ユスラウメの特徴

【別名】-
【科/属】バラ科サクラ属
【樹高】3~4m
【種類】落葉低木
【花期】4月上旬~4月中旬
【花色】白、ピンク
【葉形】卵形
【使い方】庭木、果実酒など食用
【耐陰性】なし
耐寒性】強い
【名前の由来】中国から渡来したときは「桜桃(おうとう)」と混同されたが、明治初期に区別されユスラウメになった。

ユスラウメは、中国北部原産で寒さに強くなっています。日本へは17世紀以前に入ってきたといわれています。

近年では、背丈の低さから、さくらんぼの台木の活用性も注目されるようになりました。実は食用として食べることができるため、昔は子どものおやつとしても活用したものです。

ユスラウメ
ユスラウメの花は、3月~4月ごろに咲きます。花は径1.5~2cmの白色またはピンク色です。枝の1節に1~3個の花がまとまるので、1本の枝に多数の花が付くのが特徴です。

ユスラウメ
ユスラウメの葉は、先がとがった卵形です。長さ3~5cmで、幅2~3cmあります。縁には不揃いのギザギザがあります。木の枝は若木の頃から老化したように見えるのが特徴です。

ユスラウメ
ユスラウメの実は、花が咲き終わった6月ごろになります。果実の大きさは径1cm程度で、丸形です。一般的に実は赤くなりますが、白色の実がなる「シロミノユスラウメ」もあります。完熟した実は生食できます。

昔の人は子どもの頃にユスラウメの実をそのまま食べたものですが、近年では果実酒やジャムの原料に使う程度です。または小鳥の餌となっているケースも少なくありません。実は甘酸っぱくて食べられますが、さくらんぼほど甘くはないです。

実には柄がほとんどないので、枝にびっしりなっているように見えます。溝がない実がなるのは、バラ科の植物としては珍しいです。

樹高

ユスラウメの樹高は、3~4m程度です。何年育てても大きくなり過ぎないので、狭い庭にも向いているでしょう。株立ちになって伸びすぎた枝は切り詰めることが可能で、わずかな場所でも植えることができます。

種類

白い実がなる「シロミノユスラウメ」は、1620年頃に中国から日本に入ってきました。ほかにも果実が赤褐色になる「ニワウメ」もユスラウメと近隣種です。

成長速度

ユスラウメは、成長がゆっくりです。生食できる実がなる木としても樹高が低いので、子どもがいる家庭でも育てやすいでしょう。

ユスラウメの基礎知識

ユスラウメ

ユスラウメの花言葉は?

ユスラウメの花言葉は、「郷愁」「ノスタルジー」「輝き」「貴び」などです。

ユスラウメのジャムの作り方

ユスラウメをたくさん収穫したら、ジャムに加工して食べましょう。1kgのユスラウメに対し、砂糖を300gとレモン汁大さじ1杯を使ってジャムが作れます。

ユスラウメは軸を取ってよく洗い、鍋に砂糖と一緒にいれて弱火で煮込みましょう。アクが出てきたら丁寧に取り除いてください。実が煮えたら種を取り出すため裏ごししてから鍋に戻し、煮詰まったらレモン汁を加えてできあがりです。

ユスラウメの花が咲かないのは?

ユスラウメは苗木を植えてから、実がなるまで数年かかります。幹を早く太らせるために、地際から出たひこばえは取り除いてください。強剪定でも花芽を切り取ってしまうので避けるようにしましょう。

ユスラウメが枯れた理由は?

ユスラウメは水はけのよい場所を好むので、重粘度質の土地では根腐れをおこすことがあります。または、鉢植えで水を与えすぎても、根腐れを起こしやすいので注意が必要です。

ユスラウメとニワウメの違いは?

ニワウメ
写真はニワウメ
ユスラウメとニワウメは、どちらもバラ科の種類のため、区別がつかないことがあります。厳密には、ユスラウメは「バラ科サクラ属」で、ニワウメも「バラ科サクラ属」で同じです。

どちらも赤い実がなり生食することができます。ユスラウメは若い枝や葉は毛で覆われているのに対し、ニワウメは無毛です。

ユスラウメは鳥が寄ってくる

ユスラウメを食用にしないなら、そのまま放置して野鳥の餌にしてみましょう。実がなる時期になると鳥がやってきて観察することができます。

シンボルツリーにもなるユスラウメ

狭い場所に植えるシンボルツリーを植えたいなら、ユスラウメがおすすめです。コンパクトに剪定してしまえば、四方1mでも育てることができます。成長もゆっくりなので、限られた庭に向いてます。

ユスラウメの育て方

ユスラウメ
ユスラウメは、寒さや暑さに強くなっています。植えることができるのは、北海道から九州までです。日当たりと水はけのよい場所を好みます。土質は重い粘土質や砂地以外ならどこでも育ちます。

剪定

ユスラウメの剪定は、徒長枝が出たら半分くらいに切り詰めます。11月~2月に、細かい枝や根元から出るひこばえも切り取りましょう。剪定はこのくらいで、強剪定は株を傷めるので避けるようにしてください。

ユスラウメの花芽は、前の年に伸びた葉のところになるので、剪定で切り取らないようにしましょう。

害虫や病気

ユスラウメは、アブラムシが発生することがあります。実を食べるコガネムシにも注意しましょう。葉を食べる毛虫も発生することがあります。ほかにもテッポウムシの被害にも注意してください。

肥料

ユスラウメの肥料は、毎年2月に与えます。油粕と骨粉を同量混ぜたものを与えましょう。

増やし方

ユスラウメは、種まきや挿し木で増やすことができます。熟した実から種を取り出しまくか、冷暗所に保管して翌春まきましょう。挿し木は6月~7月に充実した枝を切り取り、切り口に発根剤を塗ってから挿すようにします。

移植や植え替え

ユスラウメの移植は2月ごろが向いています。鉢植えで育てている場合は、2~3年に一度植え替えが必要です。

ユスラウメの入手方法

ユスラウメ

値段

ユスラウメのポット苗は、1,000円くらいから入手が可能です。

販売先

ユスラウメは北海道から九州までと幅広い地域で植えられるので、近くのホームセンターや園芸店でも手に入りやすいでしょう。入手しにくいときは、ネットショップでも取り扱いがあります。

苗木

ユスラウメの苗木を植えた場合は、早く成長させたいので、地際から出ているひこばえを切り取ってください。1本だけの幹に仕立ててから、さらに1本の幹を切り取り、枝を2~3本出して株立ちに育てましょう。

苗の植え付け時期に適しているのは、2月中旬~3月上旬か、11月下旬~12月までです。大きめの穴を掘って堆肥をよく混ぜ合わせてから植え付けます。

盆栽

ユスラウメを盆栽仕立てにすると、春に梅のような花と、初夏にはさくらんぼのような実の両方が楽しめるでしょう。実がなる頃には緑の葉も茂り、緑と赤のコントラストが美しいです。

ユスラウメのQ&A

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ユスラウメの木の根元から新しい枝が伸びていました。元の木は葉も何も無く丸坊主です。この枝はユスラウメの枝でしょうか?
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庭に植えて4年経つユスラウメがあります.1.2年目には全く害虫はきませんでしたが、昨年はアブラムシが大量に発生しました.牛乳スプレーやオルトラン等で対処しましたが、目に見える効果はでず、、、本で読んだように[吸汁により葉緑素が抜けて白っぽくカスリ状の葉になってしまった]ものの、実はそこそこ取れました.
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実や種が梅というよりサクラっぽいと思ったので質問しました。
種の大きさや形といい、完全にサクラのそれです。 幹の感じもサクラっぽいです。
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ユスラウメが最近気になり始めたのですが、味・・・

ユスラウメが最近気になり始めたのですが、味はサクランボ味って本当ですか?あとユスラウメってあまり聞きなじみがないんですが普通にホームセンターとかでも売っているのでしょうか?
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まとめ

ユスラウメは春の花を楽しみながら、初夏の実も味わうことができます。真っ赤な実は野鳥の餌にもなるので、庭に鳥を呼び込みたい家庭にもおすすめです。暑さにも寒さにも強く、幅広い地域で育てることができます。