キンモクセイ(金木犀)の育て方
キンモクセイは三大香木のひとつで、芳香を楽しみたい方も多いでしょう。庭木として植えてからは、ドライフラワーやポプリとしても楽しむことができます。強剪定にも耐えられる木で、生垣としてもおすすめです。キンモクセイの特徴や育て方を紹介します。
キンモクセイの特徴
【科/属】キクセイ科モクセイ属
【樹高】3~10m
【種類】常緑小高木
【花期】10月上旬~10月下旬
【花色】黄色
【葉形】舟形、卵形
【使い方】庭木、生垣
【耐陰性】ややある
【耐寒性】なし
【名前の由来】黄色い花を黄金に見立てて「金モクセイ」と名付けられた。
キンモクセイは、中国原産の常緑小高木です。花が咲く季節には強い芳香があるのが特徴で、「三大香木」のひとつに数えられています。春はジンチョウゲ、夏はクチナシ、秋はキンモクセイの香りが有名です。
モクセイの仲間には、秋から「キンモクセイ」「ヒイラギモクセイ」「ヒイラギ」の順番で花が開花していきます。庭木として使われるものは「キンモクセイ」「ギンモクセイ」「ヒイラギキンモクセイ」です。
花
キンモクセイの花は、強い香りがある黄色の花を咲かせます。開花時期は10月で、花が咲くとかなり広範囲まで香りが届きます。
葉
キンモクセイの葉は、先がとがった卵形または、舟形です。葉の長さは8~15cmで、長細い形をしています。
実
キンモクセイは雄雌同株ですが、日本でみられるキンモクセイは雄株のため、実がなることはほとんどないでしょう。実がなる場合は、卵形の実がなり、熟すと紫色に変わります。
もともとキンモクセイは中国原産の植物ですが、日本に持ち込まれたときに花つきのよい雄株が入ってきました。挿し木で増やしていったため、日本で実がなるキンモクセイに出会うことは少なくなっています。
樹高
キンモクセイの樹高は、3~10mの小高木です。ある程度の高さまで育ちますが、強い剪定にも耐える木なので、庭の大きさに合わせて背丈を調節できます。
種類
同じモクセイには幾つかの種類があります。「キンモクセイ」はモクセイの種類の中でも、日本で最も多く栽培されている品種です。橙黄色の花がつき、強い芳香があるのが特徴です。
「ギンモクセイ」は白い花を咲かせる品種です。芳香はキンモクセイより弱くなります。育て方はキンモクセイと同じですが、大気汚染に弱いので都会で育てるとキンモクセイより花つきがわるくなります。
「ヒイラギキンモクセイ」は、ギンモクセイとヒイラギとの交配種です。ヒイラギと同様に葉の縁にギザギザがあります。ほかにも「アメリカヒイラギ」「ウスギモクセイ」「シキザキモクセイ」も同じモクセイの種類です。
キンモクセイの基礎知識
キンモクセイの花言葉は?
キンモクセイの花言葉は、「謙虚」「気高い人」です。
キンモクセイはどんな香り?
キンモクセイの香りは香水や精油としても使われるほど、香りが楽しまれています。キンモクセイは甘い香りで、人によっては「トイレにある芳香剤の香り」と表現する人もいます。
昔はトイレにキンモクセイのような香りを使っていたことから、トイレの香りだと連想する方が多いようです。キンモクセイは芳香剤のような強い香りがします。
キンモクセイのドライフラワーの作り方
キンモクセイの香りが気に入っているなら、その香りを長く楽しめるように、ドライフラワーに加工してみましょう。キモクセイのドライフラワーは花びらだけを取り除き、それを好みの器に乗せて楽しみます。
キンモクセイを小さく育てる方法
キンモクセイは強剪定にも耐える樹木なので、小さく育てることができます。生垣にも使われている木で、芽の出る力が強いので、失敗してもすぐに回復しやすいでしょう。逆に選定しないとどんどん大きくなるので、剪定が必要な木です。
高さを出したくないときは1~2mくらいに仕立てましょう。キンモクセイは地際からも枝を伸ばし、楕円形の玉造になっていきます。
キンモクセイは北海道に分布しているのか?
キンモクセイは耐寒性がない樹木なので、北海道に植えることはできません。北海道で見られるのは、百合が原公園の温室など限られたところです。家庭で楽しむ場合は鉢植えや盆栽として植えましょう。
リンク:札幌百合が原公園
キンモクセイの寿命は?
キモクセイの木は寿命が長くなっています。100年や200年の寿命の木も存在しているので、数百年くらいだと考えておきましょう。
シンボルツリーにおすすめのキンモクセイ
秋になるとオレンジ色の小花が美しく、芳香も楽しめる木のため、キンモクセイはシンボルツリーに向いています。隣家の境界にかかる場所にキンモクセイを植えると、花びらが落ちて気を遣ってしまうので、自分の家の玄関先に植えるのがおすすめです。
キンモクセイの育て方
キンモクセイは、やや寒さに弱くなっています。そのため、庭植えできるのは、福島県以南までです。
植え付ける場所は、土質は選ばないが、大気汚染には弱いです。水はけのよい場所に植え付けましょう。日陰でも育ちますが、日当たりのほうが花つきがよいです。
剪定
キンモクセイの剪定は、花芽が終わってからにします。花芽は8月にできるので、この頃に選定しないようにしましょう。
キンモクセイを剪定する場合は、花が咲き終わった直後か、2~3月におこないます。花が咲き終わった枝を2~3節残して切り詰めると、その場所が二股に分かれて新梢が伸びてきます。
キンモクセイは強い剪定にも耐えるので、生垣にもできます。樹形を整えるために、円筒形仕立てにすることが多いです。
害虫や病気
キンモクセイは、ハダニ、カイガラムシが付くことがあります。風通しが悪いとカイガラムシが付きやすいので注意しましょう。また、夏に乾燥するとハダニが発生します。害虫は見つけ次第駆除してください。
肥料
キンモクセイは、窒素分の少ない肥料を2月に与えます。油粕と骨粉か、化成肥料を与えましょう。
増やし方
キンモクセイは、挿し木で増やすことができます。枝を剪定したものを土にさして増やしましょう。
移植や植え替え
キンモクセイは、根回ししてある大木なら移植が可能です。移植に適しているのは、4月下旬~7月上旬までです。
キンモクセイの入手方法
値段
キンモクセイのポット苗は、数百円程度から売られています。背丈の高いものでも1万円もあれば入手ができるでしょう。
販売先
キンモクセイは暖かい地方の植物のため、暖地のホームセンターや園芸店で探してみましょう。北海道など手に入りにくい地域の方は、ネットショップで探すのがおすすめです。
苗木
キンモクセイの苗木を入手したら、4月~5月上旬か、9月に植え付けましょう。堆肥や腐葉土を混ぜ合わせてから植え付けてください。
盆栽
キンモクセイは剪定にも強いので、盆栽としても楽しみやすいでしょう。盆栽は日当たりと風通しの良い場所を選んでください。剪定するときは花芽を切らないよう、7月の剪定は避けてください。
キンモクセイのQ&A
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花の匂いを打ち消す方法など詳しい方いたらと思いまして
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まとめ
キンモクセイは花の可愛らしさや、芳香の良さから庭木として選んでいる方も多いようです。樹高が高くなる木ですが、強剪定にも耐えられるので、庭の大きさに合わせて仕立てることができます。香木を選びたい方は、キンモクセイを選んでみましょう。