ヒイラギナンテンの育て方

ヒイラギナンテン

日陰にも強く、成長が遅い庭木を選びたいなら、ヒイラギナンテンがおすすめです。春に黄色い花を咲かせて、秋になると実が収穫でき、さらに紅葉も楽しむことができます。鬼門に植える縁起の良い木としてもおすすめです。

ヒイラギナンテンの特徴

【別名】トウナンテン
【科/属】メギ科ヒイラギナンテン属
【樹高】1~3m
【種類】常緑低木
【花期】3月、種類によって4~5月、または秋~冬
【花色】黄色
【葉形】羽形
【使い方】庭木、生花材料
【耐陰性】ある
【耐寒性】ややある、関東以南まで
【名前の由来】小葉のとげがヒイラギに似ているため。

ヒイラギナンテンは、ヒイラギの葉に似ていることから「ヒイラギナンテン」と呼びます。しかし、ヒイラギとヒイラギナンテンの種類は異なります。

ヒイラギナンテンは中国が原産で、17世紀ころ日本に入ってきました。公害にも強くベランダのような強い乾燥でも育つことから、庭木から植木鉢で育てることもできる木として、幅広い用途で使うことができます。

ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテンは、3月~4月に黄色い小花が咲きます。花は枝先に多数集まって咲くのが特徴です。花房の長さは10~15cmで、垂れ下がるように咲きます。品種によっては4月~5月または、秋~冬に開花するものもあります。

ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテンの葉は、羽形をしています。葉の長さは30~40cmで、小葉は細長い卵形です。

紅葉

ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテンは、秋になると葉が黄赤褐色に変化します。常緑樹のため、葉が散らず赤く染まった葉の様子を楽しみやすいでしょう。

ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテンは、花が咲き終わってからなります。果実は径5mm~1cm程度の丸形です。実は最初緑色をしていますが、熟すと黒紫色に変化します。表面には白い粉をおびるのが特徴です。

樹高

ヒイラギナンテンの樹高は、1~3mで大きくならず、庭木としても育てやすいでしょう。株立ちになるので多少横には広がります。

種類

ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテンには仲間が多数あります。葉が濃い緑色で細長い形をしており、黄色い花が秋に咲く「ホソバヒイラギナンテン」や、北米に自生する種類で若葉から葉が赤い「ヒイラギメギ」などがあります。

ほかにも戦後に中国で自生するヒイラギナンテンの交配種が日本に入ってきました。これらは、花が黄色で、秋から花が咲くのが特徴です。「チャリティー」は年末に花が咲く品種です。「セイヨウヒイラギナンテン」も冬に花が咲きます。

成長速度

ヒイラギナンテンの成長速度は、遅いです。庭植えにしても大きくなり過ぎないので、狭い庭にも向いているでしょう。しかし、なかなか成長せず楽しめない場合もあるので、その場合は成木を植えたほうがいいです。

ヒイラギナンテンの基礎知識

ヒイラギナンテン

ヒイラギナンテンの花言葉は?

ヒイラギナンテンの花言葉は、「激しい感情」「激情」などです。

ヒイラギナンテンは鬼門にいい?

ヒイラギナンテンは魔除けの木として使えるので、鬼門に植えるのが吉です。ヒイラギにとげがあるため、とげで邪鬼の侵入を防ぐと考えられています。そのため表鬼門(北東)に植えることが多いです。

一方でナンテンは、「難転」の文字から難を転じる木として考えられています。ナンテンは裏鬼門(南西)に植えることが多いです。魔除けとしてヒイラギナンテンを植える場合は、鬼門又は裏鬼門に植えましょう。

ヒイラギナンテンとヒイラギの違いは?

ヒイラギ
画像はヒイラギ
ヒイラギナンテンは「メギ科ヒイラギナンテン属」なのに対し、ヒイラギは「モクセイ科モクセイ属」で違う品種です。ヒイラギナンテンは黄色い花が咲きますが、ヒイラギは白い小花が咲きます。ヒイラギは4~8mの大木になるので、狭い庭で植えるならヒイラギナンテンがおすすめです。

ヒイラギナンテンの実は食用になる?

ヒイラギナンテンの実は食べることができます。しかし酸味があるため、食べてもそれほど美味しくはありません。世界にはヒイラギナンテンをフルーツとして食べる地域があります。食べ方はミューズリーに混ぜ合わせたり、おかゆに加えたりします。実には種があるので食べにくいです。

ヒイラギナンテンはスズメバチが好む?

ホソバヒイラギナンテンは、スズメバチが好んで寄ってきます。スズメバチだけでなくいろいろなハチも寄ってきやすいので、植える場所に注意が必要です。人がよく通る場所に植えないほうがいいでしょう。

生垣にもおすすめのヒイラギナンテン

ヒイラギナンテンは常緑のため、生垣として使えば目隠しになるでしょう。秋になると紅葉も楽しむことができるので、庭の良いアクセントになります。葉にはとげがあるので、悪い人を寄せ付けない対策にもおすすめです。

ヒイラギナンテンの育て方

ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテンは、日当たりのよいところに植え付けます。半日陰でも育てることも可能です。強い日差しが当たる場所では、葉が黄ばみやすいので避けましょう。土質は選ばないが、やや湿り気のある場所を好みます。

ヒイラギナンテンはある程度寒さに強い樹木ですが、庭木として植えられるのは関東以南までです。屋外で育てる場合は、冬の風の当たらない場所に植え付けてください。

剪定

ヒイラギナンテンは成長が遅い種類のため、剪定は殆ど必要ありません。手入れといえば、枯れた葉を取り除く程度です。伸びすぎた枝がある場合は、切り詰めるようにしましょう。

放任して枝葉が増えて雑然としてきた場合は、葉を減らすように剪定します。1つの枝に3~4枚の葉になるよう調節するとバランスがいいです。ヒイラギナンテンの葉は枝に左右付いた小葉をまとめて1つの葉として数えます。

また、枝が混みあってきた場合は、全体の株に対し枝を3~5本に調節しましょう。剪定や葉刈りは、11月~12月が適期です。

害虫や病気

ヒイラギナンテンは、うどんこ病にかかりやすいので注意が必要です。また、風通しが悪いとテッポウムシが発生します。

肥料

ヒイラギナンテンの肥料は、毎年1~3月に油粕と骨粉を混ぜたものを与えます。

増やし方

ヒイラギナンテンは、挿し木や実生で可能です。熟した実を収穫して、土にまいて増やしましょう。

移植や植え替え

ヒイラギナンテンの移植は、4~5月までか、9月におこなうことができます。苗木の植え付けは、関東以南ならいつでも植え付け可能です。東京の北方面では、4月~5月までか、8月~9月までに植え付けましょう。

ヒイラギナンテンの入手方法

ヒイラギナンテン

値段

ヒイラギナンテンのポット苗は、1,000円以下からでも入手できます。小さい苗だとなかなか成長しないので、植木鉢で楽しむのによいでしょう。

販売先

ヒイラギナンテンは、庭植えができる場所でホームセンターや園芸店で手に入ります。寒冷地では植木鉢用の苗を入手してください。

鉢植え

ヒイラギナンテンは鉢植えで育てることもできます。土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。植木鉢は直射日光が当たらない半日陰に起きましょう。肥料は冬に、緩効性化成肥料や油粕を根元に与えます。

ヒイラギナンテンのQ&A

ヒイラギナンテンの剪定について教えてくださ・・・

ヒイラギナンテンの剪定について教えてください(^^)父が、厄除けになるからと、鉢植えのヒイラギナンテンをくれたのですが、2年程経ちどんどん上に伸びて、 170センチ位になりました。
ヒイラギナンテンの剪定について教えてくださ・・・の詳細

ヒイラギナンテンを家の東側に植えています。

ヒイラギナンテンを家の東側に植えています。4年ぐらい前に高さ130センチぐらいのヒイラギナンテンを造園会社に植えてもらいました。2年後ぐらいで葉のつきが悪くなってしまい花も咲かなくなりました。
ヒイラギナンテンを家の東側に植えています。の詳細

ホソバヒイラギナンテンと業平ヒイラギナンテ・・・

ホソバヒイラギナンテンと業平ヒイラギナンテンの違いは鋸歯(きょし)※鋸状のことらしいです。の有無らしいですが、どちらが鋸歯がある方ですか?よろしくお願いします。
ホソバヒイラギナンテンと業平ヒイラギナンテ・・・の詳細

ヒイラギナンテンが病気になったみたいです。

ヒイラギナンテンが病気になったみたいです。葉っぱに茶色い直径1mmくらいの斑点が沢山できています。病名とよく効く薬を教えてください。
ヒイラギナンテンが病気になったみたいです。の詳細

ヒイラギナンテンの葉が黄色のところがありま・・・

ヒイラギナンテンの葉が黄色のところがありますが、緑にするにはどうしたらよいでしょうか? 今、黄色の花が咲いているので、それが引き立つと良いと思います。
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まとめ

ヒイラギナンテンは成長が遅い常緑の低木のため、狭い庭にもピッタリです。春になれば黄色い小花が楽しめて、秋になれば実を収穫することもできます。紅葉も楽しめるので、四季によって違った表情を見せてくれるでしょう。